オンライン転売サイトを徹底研究

エンゼルスのチケットを買うにはインターネット経由で買うのがもっともポピュラーである。しかし日本と異なりチケットの転売が合法のアメリカでは、本家エンゼルスのオフィシャル・サイト以外にネット上には多くのチケット転売サイトがある。代表的なサイトとして、StubHub, GameTime、SeatGeek, VividSeatsなどだ。

転売サイトで自分の持つチケットを売りに出す人はStubHub始め、多くのサイトで同時に売り出すことが多いようだ。そのためどこかのサイトだけが圧倒的に安いということはほとんどない。同じ試合、同じような席ならだいたい価格は横並びになる。そうは言っても各社ごとに値付けの方法は異なるので、複数のサイトを比較しながらチケットを購入することをお勧めしたい。

そこで代表的なチケット販売サイトの使い勝手や特徴を比較してみた。

(1)エンゼルスのオフィシャル・サイト

定価販売だがプレミアムな席の在庫はあまりなく、手数料も高い。人気カードの場合は割安になる

MLB.comのユーザ登録後、クレジットカードで購入する。チケット代以外に手数料が1席当たり9%もしくは2.5ドル、加えてオーダーごとの手数料が4.95ドルかかる。そのため例えば一番安い8ドルの席を2席買った場合でもトータルで26ドルほどかかることになる。実際の手数料の比較は本章末の「4月28日(土)のヤンキース戦のチケット価格を比較」を参考のこと

オフィシャル・サイトで売られているチケットは年間予約席で売れなかった場所なので、ネット裏などプレミアムな席は品揃えが良いとは言えない。

基本的に転売サイトよりも高いが、人気カードの場合は安くなることも

MLBでも超人気チームとは言えないエンゼルスの場合、ほとんどの試合(全試合の9割以上)で転売サイトの方が価格は安くなる。

ただしヤンキース戦やドジャース戦などの人気カードの場合、転売サイトはここぞとばかり高値で値段を設定してくるので、定価販売のオフィシャルサイトの方が安くなることが多い。そういう人気カードは手数料のかからないエンゼルスタジアムのチケットオフィスに出向いて買うのが一番賢い買い方だ。

実際にオフィシャル・サイトからチケットを購入する場合、「View Seat Map」をクリックすると、詳細な座席マップ(下図参照)を見ながら席を選べるので使い勝手はとても良い。

 

(2)StubHub

在庫豊富でプレミアムな席も多いが、手数料は高め。システムの安定性は高い

StubHubはオンラインの転売サイトの最大手で、とにかく席の種類も量も豊富だ。エンゼルスを始め、いくつかの球団とは公式に提携していて、球団のオフィシャルサイト内にリンクもある。

とにかくStubHubはチケットの質量ともに最高だ。多い時は1試合で5000枚以上のチケットが売られている。そこから買いたいゾーンや、特定のブロックのチケットを財布と相談しながら探していくことになる。またFilterのオプションで手数料込みの値段で表示させることも出来る。

StubHubのスマホのアプリを入れておくことをおすすめする。なぜかというと現在何席売れ残っているかが、スマホのアプリ上からだけ見えるからだ(PCからは見えない)。何枚売れ残っているかはチケット価格が今後どのように変動するかを判断するための重要な情報だ。(参考記事:売れ残り枚数から価格変動を予測する

問題は手数料が高いこと

StubHubの場合、チケット価格の約20-22%のService Fee(手数料)と、1枚につき2.0~2.5ドルのFulfillment Feeと呼ばれる手数料がかかる。例えば6ドルのチケットを2枚買うと総額は18..40ドルになる。100ドルのチケットを2枚なら249ドルだ。価格の高い席ほど手数料も高額になってしまう。

ちなみにエンゼルスの試合はどんなに安いチケットでも最低価格が6ドルになっているようで、手数料込みだと1枚9.7ドルになる。もし安いチケットを探しているのなら、9.7ドルという価格ラインがStubHubで買うか、他で買うかの分かれ目になると覚えておこう。

信頼性は高い

手数料は高いがシステム的には安定しており信頼性は高い。私はこれまでStubHubで購入してトラブルがあったことはない。

日本語サイトもあるが割高

StubHubには日本語サイトもあるが、円決済できること、日本語で手続きできることはありがたいが、残念ながら手数料は米国で買うよりもさらに割高になっている。

参考記事: エンゼルスのチケットは日米でどのくらい違う?(日米Stubhub比較) (2018年3月8日)

(3)SeatGeek

転売の転売サイト。格安手数料で買えることも

私の最近のお気に入りがここだ。品揃えは普通だが、手数料がとても安い席が見つかる。手数料込みで1枚3ドル程度で買えることも。
ここの面白い点は自らも売っているが、他の転売サイトのチケットも扱っている点だ。つまり転売の転売をしているわけだ。そのため手数料も統一されておらずバラバラで、同じ価格の席でも本当の売り手によって仕上がりの価格は大きく異なってくる。

なお、このサイトは手数料込みの値段で表示させることも出来る。下の画像の赤丸で示したところで「Showing prices with fees」を選べば良い。ただしそこで示される価格、例えば $4/ea となっていても実際の仕上がり価格は微妙に異なっていることが多い。

とりあえずチケットを片っ端からクリックして、新たに開くウィンドウ上で最終仕上がり価格を確認してから買おう。

ある日私がSeatGeekでチケットを買ったところ、実際の売り手はFanxchangeという転売サイトで、5枚買って仕上がりは1枚当たり3.09ドルだった。これは私が買った2018年の試合では最安値だった。試しにFanxchangeのサイトから直接同じ席を買ったらいくらか調べてみたら、倍近い値段になっていた。どういう仕組みかさっぱりわからないが、とにかく転売サイトで買う時はよく調べた方が良いということだ。

ちなみにSeatGeek経由で買う時は決済画面(下図)の下の方に本当の売主が出ている。

(4)FanXchange

手数料は格安だが、システムが不安定

Fanxchangeからは上記のSeatGeek経由で何度も買っているが、何しろ手数料が安い。1枚につき数十セントの時もある。しかしここはシステムがダメダメで私は2018年だけで3度もトラブルに見舞われた。
そのうち2回は購入手続き後、1時間以上たってもチケットのダウンロードリンクのメールが届かないトラブル。いずれもカスタマーサービスに電話して、1回は他のチケットに振替えられ、もう1回は購入がキャンセルされた。

また別の機会ではPDFでチケットはダウンロードできたのだが、自分の買った試合ではない別の試合のチケットだった。私はチケットを印刷して持って行こうとしたので気がついたが、もしスマホのアプリ上に表示されるバーコードを球場の入り口で見せて入場しようとしたら気がつかずに入場できないところだった。ウェブサイトのチャットでコンタクトしたところ、間違いを認め、正しいチケットを送り直すということだったが、試合開始が迫っておりそれでは間に合わないのでキャンセルした。

Fanxchangeはメールで連絡してもなかなか返事が来ないので、試合開始が迫っている場合は電話かサイトのChatでコンタクトする必要がある。

安い分、トラブルも多いと心得ておいた方が良い。英語でクレームすることに自信がなければやめた方がよいだろう。もしSeatGeek経由で買う時は売主がFanxchangeでないか確認しておこう。

(5)VividSeats

手数料が決済画面まで行かないと表示されないので使い勝手が悪い

チケット価格は結構安いのだが、一番困るのは手数料がいくらなのか、ユーザ登録、ログインして決済画面まで行かないと表示されないことだ。

またサービスフィーやダウンロード手数料が1枚ごとにかかる(サイトによってはダウンロード手数料は1オーダーごとに定額だったりする)ので、複数枚買うと手数料も等倍で増えていく。

ここでも一度トラブルがあった。購入後チケットへのダウンロードリンクメールが届かず、カスタマーサービスに電話して、別のチケットを割り当ててくれた。元々の席よりもちょっとだけ良い席だった。

(6)GameTime

品揃えはイマイチだが手数料は安い。値段はクルクル変わる

特に空いている試合だと、手数料、チケット価格とも最安値でゲットできるサイト。一番安い席は1ドルで売られている時もある(Stubhubでは6ドル以下にはまず下がらない)。とにかく安くチケットを取りたい場合に利用する。

手数料は11ドル以下の席なら一律5ドルだ。なので1ドルの席なら手数料込み6ドルでゲットできる。

ただ、GameTimeのチケット価格は20分おきくらいによく変わる。さっきまで最低価格1ドルだったのが3ドルに上がったり、また1ドルに落ちたりと変動が大きい。それに比べるとStubhubの価格変動はずいぶんマイルドだ。上記のStubhubの売れ残り状況を見ながら、本当に値段が上がっているのか、それとも一時的に上げているだけなのか見極めよう。


4月28日(土)のヤンキース戦のチケット価格を比較(2018年4月26日投稿記事より)

一番安いのは両翼5階の40ドルの席だが、試合の3日前には売り切れてしまった。

そこで、エンゼルスの公式サイトや私のよく使うオンライン転売サイトの価格を比べてみた。座席は現在公式サイトでは一番安いネット裏の5階席前列(定価50ドル)を2枚買う時の1枚あたりの価格である。

チケット代 手数料 合計
エンゼルス公式(ネット) $50.00 $11.48 $61.48
エンゼルス公式チケットオフィス $50.00 $0 $50.00
StubHub.com $70.00 $18.50 $88.50
Vividseats.com $68.00 $19.50 $87.50
Seatgeek.com $71.00 $17.00 $88.00
Gametime.com $69.00 $17.00 $86.00

一番安価に購入できるのはエンゼルスタジアムのチケットオフィスまで出かけて行って窓口で直接買う方法である。何しろ手数料が一切かからない。公式サイトのネット販売はTicketmasterやStubHubのシステムを拝借しているためか手数料が高い。

ヤンキース戦やドジャース戦のように人気が高い試合はインターネットの転売サイトよりも公式サイトや窓口で買ったほうが圧倒的に安い。

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