エンゼルス戦を観戦するにはチケットを確保することがその第一歩。インターネット普及以前は球場のチケットオフィスに出向いて買う、良い席が欲しい場合はチケットブローカーに頼むというのが一般的だったが、今はエンゼルスの公式サイトからチケットを入手するのが一般的だ。
しかしそれ以外にも良い席/安い席を手に入れる方法はいくつもある。そこでSingle Game Ticket(試合ごとのバラ売りチケット)を買う方法を紹介しよう。
また別掲の「オンライン転売サイトを徹底研究」も参照されたい。
(1)エンゼルスのオフィシャル・サイトから買う
(2)球場のチケット売り場で買う
(3)オンライン・チケット・ブローカーで買う
(4)インターネットの掲示板 (Craiglist)で買う
2018年4月28日のヤンキース戦のチケット価格を比較
売れ残り枚数から価格変動を予測する(StubHub)
(1)エンゼルスの公式サイトから買う
購入はパソコンでもスマホでも可能
パソコンからチケット買うにはエンゼルスのオフィシャル・ウェブサイトのTicketsというメニューからSingle Game Ticketsを選択し(https://www.mlb.com/angels/tickets/single-game-tickets)、試合ごとのチケットを購入することが出来る。スマホからは買うにはBallparkアプリを使う。Ballparkの詳細はこちらの項目を参照されたい。
希望日の試合を選んだら、あとはスタジアムのマップ上から買いたい席を選んでクレジットカードで決済するだけである。全ての購入可能な座席がマップ表示されるのでとてもわかりやすい。決済にはMLBのアカウント登録が必須となるのでパソコンまたはスマホから登録しよう。
購入したチケットで入場するにはスマホ必須
購入はパソコンでもスマホでも可能だが、入場時にスタジアムのゲートで購入したチケットを表示するにはスマホのBallparkアプリが必須になる。
ネットで買ったチケットはBallparkアプリに転送されるので、球場ではBallparkに表示されたチケットのQRコードを入り口でスキャンしてもらい入場する。以前はチケットを自宅で紙に印刷して持って行くことができたが、現在はBallparkアプリ以外でチケットを受け取ることはできない。
購入座席の制限に注意
マップ上で購入可能な席を選択して決済に進もうとするとエラーが出る時がある。例えば下のような3席並んだ席から2席を買おうとするとエラーが出てしまうのだ。これは隣りに1席残して買うことはできないという仕様になっているからだ。
横に並んで買う場合は3席とも買うか、前後の列で1席ずつ買う、もしくは別の列やブロックで選び直すしかない。マップ上で良い場所に3席横並びの席が結構余っているのはこういう理由による。
上下どちらがグラウンドに近いのか間違えないように
この座席マップでは常に上の方がグラウンドに近い席である。球場全体マップではバックネット後方のエリアは画面の下がグラウンドに近くなるが、座席マップに切り替わると上下が逆転するので注意。管理人も一度それで勘違いして一番前の席を買ったつもりが、一番後だったということがあった。
パーキングは買わなくてもOK
なお決済画面では球場のPreferred Parking(30ドル)を買うオプションが表示されるが、別に買う必要はない。Preferred と言っても20ドルの一般エリアよりもちょっとだけ近い場所に停められるだけである。どうしても買いたい人だけが「ADD TO CART」をクリックして一緒に買えば良い。
なお公式サイトで売られているチケットは年間予約席で売れなかった場所なので、内野の良い席などは買えない可能性もある。その場合は後述のオンライン・チケット・ブローカーなどから購入を検討しよう。
手数料が高いネット購入
オフィシャルサイトからチケットを購入する場合は手数料がかなりかかる。例えば
- 9ドルの席を2席買った場合、チケット代18ドルに加えて14.95ドルの手数料。手数料率=83%
- 20ドルの席を2席買った場合、チケット代40ドルに加えて19.95ドルの手数料。手数料率=50%
- 100ドルの席を2席買った場合、チケット代200ドルに加えて19.95ドルの手数料。手数料率=10%
つまり安い席ほど手数料が割高になる。手数料を払うのを避けるには(2)の球場のチケット・オフィスの窓口で直接買うことを選択すれば良い。手数料の比較は本章末の記事を参考のこと。
そもそも人件費をかけて窓口で販売すると手数料がかからず、インターネット経由のオンラインで購入すると高額の手数料がかかるというのは経済原則から矛盾している。MLBの委託するオンライン販売業者の手数料が相当高額なことが理由と思われるが、将来的にはMLBでシステムを開発してネットで買っても手数料がかからないようにするのがあるべき姿だろう。2022年のシーズン、管理人はほとんどのチケットは窓口で購入した。
(2)球場のチケット売り場で買う
スタジアムの入り口脇にあるTicket Officeでは窓口でチケットを購入することができる。当日券はもちろん、これから行われるシーズン中の全てのホームゲームのチケットを購入できる。よほどの人気カードでなければ当日券も十分入手できる。当日券を買う時にもし将来行く試合が確定していれば同時に買ってしまえばいい。ただ実際にどんな席がいくらで買えるかは事前にオンラインでチェックしておく事をお勧めする。
手数料なしで買える
窓口購入はオンライン購入と違い手数料が一切かからない。オンラインのオフィシャルサイトで販売している席は全てTicket Officeでも購入できる。
窓口で希望の試合と予算や観戦したいエリアなどを告げれば、担当者が「ここの席でどう?」と選んでくれる。直前にスマホで公式サイトにアクセスして、希望の席があればメモるか、スクショを撮っておいて窓口でこの席が欲しいと見せればスムーズだ。席が決まればクレジットカードと身分証明書を提示して購入する。
球場内にも窓口あり
すでにスタジアム内へ入場してしまった人のために球場内にもTicket Officeがある。場所はメインゲート裏、1階の3塁側寄りだ。そこへ行けば入場した後でも将来の試合のチケットを購入できる。ただ試合で6イニングが終了する頃に窓口はクローズとなる。場外の窓口も同じく6改宗領事にクローズとなる。
試合のない日にも開いている
エンゼルスの試合がない日でも球場のTicket Officeやチームストアはオープンしている。
シーズン中の試合がない日のTicket Officeの営業時間
(月)~(土): 10:00 a.m. ~ 3:00 p.m.(チームストアは10:00 a.m. ~ 5:00 p.m.)
(日): クローズ
なお、試合がない日に球場にチケットやグッズを買いに来た場合は駐車料金はかからない。Orangewood Avenueのパーキング入り口から入場し、もしゲート入り口に係員がいた場合は「チケットを買いに来た」「グッズを買いに来た」と言えば通してくれる。最近は試合開催日のチームストアはかなり混んでいて入場制限もある。試合がない日に来場してチケットやグッズを買うことをお勧めする。
プロモーション・コードは使用不可
エンゼルスのメーリングリストに登録しているとチケット割引購入のためのプロモーション・コードがしばしば送られてくる。しかしこのコードはオンラインで購入する場合にのみ有効。残念ながら窓口では使用できない。「すごくお得だなあ」と思ってもオンラインでは購入手数料がそれなりにかかるので、結局は窓口で買った方が安い場合が多い。
(3)オンライン・チケット・ブローカーで買う
日本では営利目的のチケットの転売はダフ行為と呼ばれ、古物営業法違反や迷惑防止条例違反であるが、アメリカは日本と異なり、完全に合法である。そのためインターネット上では多くのチケット売買サイトがある。代表的なサイトとして、StubHub, Seatgeek, VividSeats、TickPickなどがある。ここでは野球に限らず、NBA、NHLからコンサートまで、ありとあらゆるイベントのチケットを取り扱っている。
これらのサイトではメジャーリーグの年間予約席を購入している人が、自分の観戦しない日のチケットを売り出している。最近は最初から転売することを狙って、年間予約席を購入する者も大勢いる。年間予約席を購入するとプレーオフのチケットが優先的に購入できたりと何かとメリットも多い。そのためこれらのサイトではオフィシャル・サイトでは一般に売り出されないような素晴らしい座席が多数売りに出される。また球場内の駐車料金が含まれていたり、VIPゾーンに駐車できたりなどオマケがついているチケットも売りに出ている。
これらのサイトのチケット価格はオフィシャルな販売価格よりもさらに流動的だ。人気カードの最高の座席は天井知らずで、一枚何百ドルになることも珍しくない。例えばドジャースタジアムで行われた2017年ワールドシリーズ第7戦は、外野席でも1枚800ドルの価格がつき、バックネット裏は1万ドルを超えた。
一方で不人気カードの座席は試合直前になると投げ売りのような状態となり、本当に格安で入手することができたりする。
これらのサイトでチケットを買うとチケット代金の他に、Service FeeやDelivery Feeといった各種の手数料が発生する。しかしそれを考えても、良い座席が非常にリーズナブルな価格で入手できることが多い。
チケットの販売枚数は、売り手によって異なるが、2枚とか、4枚とかの単位で売られていることが多い。4枚売りに出している人から2枚買うことは可能だが、3枚買うことは出来ないことが多い。なぜなら残りが1枚になってしまうと売ることが難しくなるため、最低でも残りが2枚以上になることが求められるからだ。
これらのサイトは基本的には個人売買であるため、お金を払ったにもかかわらず、チケットを入手できなかったという事故が起こる可能性があるが、各社で保険がかけられており、損することはないようになっている。
オンライン転売サイトでのトラブルの実例
通常はインターネットで購入手続きが終了すると、「購入を受け付けました」というメールがまず届き、それから数分以内にはオーダー完了とチケットへのダウンロードリンクが載ったメールが届く。
しかし私はこれまで転売サイトでチケットを買ったものの何らかの理由で、最後のダウンロード・リンクのあるメールが届かなかったことが2度ある。具体的には一度はVividSeats、もう一度はSeatGeek経由のfanXchangeというサイトだ。VividSeatsの時はシステムトラブルが原因だったらしく、お詫びにちょっとだけいい席を手配してくれた。一方fanXchangeの方は2度電話したあげく単にキャンセルとなった。
いずれも試合開始まであと3時間ほどという当日の駆け込み購入だったため、メールでの連絡では間に合わず直接カスタマーサービスに電話する羽目になった。
私の経験では購入完了後、10分以内にダウンロードリンクのメールが届かなかった場合、何らかの問題が生じている可能性が高い。すぐにカスタマーサービスに問い合わせのメールを打つか、直接電話した方がよいだろう。
ちなみに下記のStubHubは手数料は高めだが、特にMLBのチケットはStubHubの転売システムが統合されているためシステム的には一番信頼性が高い。私の経験ではMLB以外のチケットでもトラブルになったことはない。
StubHubで実際の購入
ではオンライン・チケット・ブローカー最大手のStubHubでの買い方を紹介しよう。他のサイトもほぼ買い方は同じだ。直接サイトに行くかエンゼルスのオフィシャル・サイトのTicketsというメニューに行くと、StubHubへのリンクも張られている。
まずサイト上で「Angels」で検索すると、エンゼルスの試合が表示される。観戦したいカード(日付)を選ぶと現在売りに出されている座席の一覧が出てくる。
左上のZoneを選択すると、あるまとまった区画の中での最低価格を表示してくれる。また右上のFilterからは手数料込みの値段を表示したり、価格レンジを指定したりできる。このマップをフルに駆使して自分の希望に合う座席を探そう。
座席が決まったら、支払画面に行くが、その前にユーザ登録をすることを求められる。登録したら最後にクレジットカードで支払う。エンゼルスのチケットの受け取り方法はBallpark アプリでのスマホで受け取りがほとんどだ。
オーダーが受信されると、まず1通目の受注確認メールが届く。StubHubで実際にチケットがあるかが確認されると2通目のメール届き、その中にダウンロードへのリンクが載っている。しかしStubHubではスマホに専用アプリをインストールし、スタジアムのゲートではそのアプリ上で表示されるQRコードを示すように指示される。そして紙に印刷して持っていっても無効だとある。
あとはスタジアムにスマホを持っていくだけだ(充電をお忘れなきよう)。
ちなみにStubHubには日本語サイトもあるが、円決済できること、日本語で手続きできることはありがたいが、残念ながら手数料は米国で買うよりも割高になっている。
参考記事: エンゼルスのチケットは日米でどのくらい違う?(日米StubHub比較) (2018年3月8日)
VividseatsやSeatgeekなどでチケットを買ってもメールが届くが、受け取り方法などはサイトによって異なっているので注意してもらいたい。
問題は手数料が高いこと
何かと便利なオンライン・チケット・ブローカーだが、問題は手数料の高さだ。StubHubの場合、チケット価格の約20-22%のService Fee(手数料)と、1枚につき2.0~2.5ドルのFulfillment Feeと呼ばれる手数料がかかる。ちなみに6ドルのチケットを2枚買うと総額は18..40ドルになる。100ドルのチケットを2枚なら249ドルだ。
TickPick.comはおすすめ
ちなみにオンラインサイトのTickPick.comは手数料がかからないので管理人もよく利用する。実際には手数料込みの値段で売られているだけだが、他のほとんどのサイトはいったいいくら手数料がかかるのかユーザ登録が必要だったり、決済画面まで行かないとハッキリしないサイトが多いので重宝している。
(4)インターネットの掲示板 (Craiglist)で買う
Craiglistはアメリカで最も普及しているインターネットのクラシファイド、いわゆる「売ります、買います」掲示板である。エンゼルスのチケットも売りに出されている。StubHub等と違い、手数料が全くかからないので売り主、買い主双方にとって金銭的なメリットがある。当然、試合が近づくと価格は大きく変動する。中には投げ売りに近いものもある。
さすがに短期の旅行者には不向きだが、もし手渡しで受け取りが可能なエリアに知人が住んでいたり、ある程度長期でアメリカにいるのなら、超格安でチケットが手に入る可能性があるので、検討する価値はある。いったいどのくらい安いのかは、CaliforniaのOrange County、Tickets(http://orangecounty.craigslist.org/tix/)をのぞいてみてほしい。
4月28日(土)のヤンキース戦のチケットの例(2018年4月26日投稿記事より)
一番安いのは両翼5階の40ドルの席だが、試合の3日前には売り切れてしまった。
そこで、エンゼルスの公式サイトや私のよく使うオンラインチケットブローカーの価格を比べてみた。座席は現在公式サイトでは一番安いネット裏の5階席前列(定価50ドル)を2枚買う時の1枚あたりの価格である。
チケット代 | 手数料 | 合計 | |
エンゼルス公式(ネット) | $50.00 | $11.48 | $61.48 |
エンゼルス公式チケットオフィス | $50.00 | $0 | $50.00 |
StubHub.com | $70.00 | $18.50 | $88.50 |
Vividseats.com | $68.00 | $19.50 | $87.50 |
Seatgeek.com | $71.00 | $17.00 | $88.00 |
Gametime.co | $69.00 | $17.00 | $86.00 |
一番安価に購入できるのはエンゼルスタジアムのチケットオフィスまで出かけて行って窓口で直接買う方法である。何しろ手数料が一切かからない。公式サイトのネット販売はTicketmasterやStubhubのシステムを拝借しているためか手数料が高い。
ヤンキース戦のように人気が高い試合はインターネットのチケットブローカーよりも公式サイトや窓口で買ったほうが圧倒的に安い。
売れ残り枚数から価格変動を予測する(StubHub)
各サイトは売れ残りの状況やその試合のチケットをチェックした人数などから、最も高くチケットが取引されるようにするには、また売れ残りを出さないようにするにはどうしたらいいかを常に研究している。そして各社とも売り出し価格をどのように変動させていくかという価格決定のアルゴリズムを持っており、それに従って売り出し価格を随時変えていく。
StubHubは席の種類も量も豊富だ。エンゼルスを始め、いくつかの球団とは公式に提携していて、球団のオフィシャルサイト内にリンクもある。
StubHubのスマホのアプリを入れておくことをおすすめする。なぜかというと、PCからは表示されない現在何席売れ残っているかが、スマホのアプリ上からだけ見えるからだ。何枚売れ残っているかはチケット価格が今後どのように変動するかを判断するための重要な情報だ。
大谷選手の場合、出場日が直前にならないと確定しないこともあるので私はほとんどの場合前日か当日に購入する。以下は私の経験則だが、例えば当日の昼前にチェックして残りのチケット枚数が
(1) 1000枚以下: ほぼ満員、チケット価格上昇傾向。早めに手配するべし。
(2) 1000~2000枚: まずまずの客の入り。チケット価格維持傾向。あちこち見比べながら安いと思うのがあればゲットしてよい。
(3) 2000~3000枚: 割と空いている。チケット価格下落傾向。もうしばらく待ってみよう。
(4) 3000枚以上: ガラガラ。投げ売りが期待出来る。ギリギリまで待っても大丈夫。
という感じである。
加えて相場水準も判断に加える。大まかに言って、価格が定価かそれ以上ならば人気カードなので今後も値段はあまり下がらないと考える。逆に定価よりもかなり安く売り出されていれば、不人気カードで今後も値下がりの余地があると考える。Giveaway(来場者へのプレゼント)がある日や週末の試合は値段が高い日が多い。