2021年のエンゼルスの野手陣を紹介する。
一昨年はレンドーンを獲得して長年の懸案だった三塁手を埋めた。今年のオフの野手の補強は地味でレギュラークラスとしては退団したシモンズの穴を埋めるホセ・イグレシアスくらいである。
退団した主な野手
- アンドレルトン・シモンズ(31歳、ショート、FA退団→ツインズと1年契約)
- トミー・ラ・ステラ(32歳、二塁手、アスレチックスへフラッグシップ・ディールでトレード、オフにFAとなりジャイアンツと3年契約)
- ジェイソン・カストロ(33歳、キャッチャー、パドレスへフラッグシップ・ディールでトレード、オフにFAとなりアストロズと2年契約)
- ブライアン・グッドウィン(30歳、外野手、レッズへフラッグシップ・ディールでトレード、オフにFAとなりパイレーツとマイナー契約)フラッグシップ・ディール
トレード期限は通常は7月末だがコロナ禍でシーズン短縮の2020年は8月末が期限に設定された。プレーオフ進出が絶望的となったチームが優勝への戦力強化を求めているチームへ力のある選手を期限ギリギリに送るトレード。多くはオフにFAとなる選手を送り、代わりに若手を獲得する。オフにFAで出て行かれるとほとんど見返りもないが、この時点にトレードすれば見返りが期待できる。
新規加入の主な野手
- ホセ・イグレシアス(31歳、ショート、オリオールズからマイナー2選手とのトレード)
- デクスター・ファウラー(35歳、外野手、カージナルスからトレード)
- カート・スズキ(37歳、キャッチャー、ナショナルズをFA。1年契約)
オフにFAで退団が見込まれる選手は多少なりとも見返りのあるトレードで放出するのが常道なのに、一昨年のカルフーン同様、シモンズをそのまま見返りもなく退団させてしまった。ただしシモンズはコロナ禍でメンタルをやられていたので、獲得に動くチームがあったかどうかは微妙だったが。
今年もトラウト、レンドーン、大谷が打線の中心で、フレッチャー、アップトン、プーホルス、ウォルシュらが脇を固める、基本的には昨年のオーダーをほとんど継承する形で今年も行くことになるだろう。
管理人の考えるベストオーダー
(1)フレッチャー(二)
(2)レンドーン(三)
(3)トラウト(中)
(4)大谷(DH)
(5)アップトン(左)
(6)ファウラー(右)
(7)J・イグレシアス(遊)
(8)ウォルシュ(一)
(9)スタッシ(捕)
- ホセ・イグレシアス(ショート)
- デクスター・ファウラー(外野手)
- カート・スズキ(捕手)
- マイク・トラウト(センター)
- 大谷翔平(DH)(別項掲載)
- アンソニー・レンドーン(三塁手)
- アルバート・プーホルス(一塁、DH)
- ジャスティン・アップトン(レフト)
- デビッド・フレッチャー(内、外野手)
- ジャレッド・ウォルシュ(一塁手)
- マックス・スタッシ(キャッチャー)
- その他メジャー定着を狙う選手
- ホセ・イグレシアス(31歳、遊撃手)
- 守備は一級品だが打撃に課題
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- 右投げ右打ち、180cm、背番号4
- デクスター・ファウラー(35歳、外野手、右投げ両打ち)
- かつては万能リードオフマンも過去3年の成績低下で不良債権化
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- 右投げ両打ち、196cm、背番号25
- カート・スズキ(37歳、キャッチャー)
- マイク・トラウト(29歳、中堅手)
- 大谷翔平(26歳、投手&DH)
- アンソニー・レンドーン(30歳、三塁手)
- アルバート・プーホルス(41歳、1塁手&DH)
- ジャスティン・アップトン(33歳、レフト)
- 身体能力の塊のはずが、なぜそんなに早く衰える?
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- 右投げ右打ち、185cm、背番号10
- アップトンのこれまで
- デビッド・フレッチャー(26歳、内野/外野手)
- ジャレッド・ウォルシュ(27歳、一塁手)
- マックス・スタッシ(30歳、キャッチャー)
- その他メジャー定着を狙う選手
- ジョー・アデル(21歳、外野手)
- ルイス・レンヒーフォ(24歳、二塁手、遊撃手)
ホセ・イグレシアス(31歳、遊撃手)
守備は一級品だが打撃に課題
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右投げ右打ち、180cm、背番号4
2020年の成績(ボルチモア・オリオールズ)
打率 | 本塁打 | 打点 | OPS | 盗塁 |
.373 | 3 | 24 | .956 | 0 |
2020年12月にマイナー2選手との交換でオリオールズからエンゼルスへトレードされた。2021年の年俸は350万ドル。来オフにFAになるので実質1年契約。
キューバ出身。2008年カナダで亡命。その後ドミニカの居住権を得て2009年にレッドソックスと4年825万ドルの契約を結んだ。2011年メジャーデビュー。
キューバ選手にありがちな早打ち傾向が強く四球が少ない。長打力にも欠けるため、メジャー9年間のトータルOPSは .700とごく平均的な打撃成績しか残せていない。ここ3年間はタイガース、レッズ、オリオールズと毎年1年契約でどこかに拾ってもらっている状態。
エンゼルスも打撃面はあまり期待せず、とにかくシモンズの抜けた守備の穴を埋めるためにトレードに動いたのだろう。若手のレンフィーフォ、ワード、タイスらがステップアップしてイグレシアスを抜くぐらいでないとチーム強化は進まない。
デクスター・ファウラー(35歳、外野手、右投げ両打ち)
かつては万能リードオフマンも過去3年の成績低下で不良債権化
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右投げ両打ち、196cm、背番号25
2020年の成績(セントルイス/カージナルス)
打率 | 本塁打 | 打点 | OPS | 盗塁 |
.233 | 4 | 15 | .706 | 1 |
2021年2月にカージナルスからエンゼルスへトレードされた(交換選手は後に発表)。2021年の年俸は1650万ドルだが、そのうち1475万ドルはカージナルスの負担なので、格安でエンゼルスが不良債権を引き取った印象。来オフにFAになるので実質1年契約。
エンゼルスは期待のジョー・アデルが思ったよりも成長せず、バックアップ要員としてファウラーを獲得した。アデルは2021年のキャンプ中にマイナー行きを宣告されたのでファウラーが正右翼手で開幕を迎える見込みだ。
ジョージア州出身。2004年のドラフトでコロラド・ロッキーズから14巡目(全体410位)で指名されてプロ入り。高校時代はバスケットボールの選手としても知られており、実際ハーバード大学からバスケ選手として勧誘があったという。
メジャーデビューは2008年9月。その後アストロズ、カブス、カージナルスと移籍した。俊足好打の1番打者として出場を重ね、カブス時代はマドン監督の下でオールスターに選出され(ケガで出場は辞退)、ワールドシリーズ制覇も成し遂げた。そのオフにカージナルスと5年総額8250万ドルの大型契約を結んだが1年目以外は打撃は低迷し、今年は事実上の戦力外になっていた。そこで年俸の大半をカージナルスが負担するという条件でエンゼルスが獲得に動いた。
また今シーズンのエンゼルスはかつてマドン監督の下でプレーした選手を数多く入団させているがファウラーもマドン人脈の一人だ。ファウラーの最もいい時期を知るマドンであるが、かといって衰えの来た選手が急に復活するとも思えない。35歳という年齢からして大きな伸び代はなく、かつてのような万能リードオフマンになることも期待薄だが、アデルがメジャーに定着するまで、打率 .250、OPS .750くらいの数字を残してくれれば十分だろう。
カート・スズキ(37歳、キャッチャー)
しぶとくチャンスに強い打撃が持ち味のベテラン捕手。スタッシのバックアップ
右投げ右打ち、180cm、背番号24
2020年の成績(ワシントン・ナショナルズ)
打率 | 本塁打 | 打点 | OPS | 盗塁 |
.270 | 2 | 17 | .745 | 1 |
2021年1月にエンゼルスと150万ドルで1年契約(FA)。
祖父母が名古屋出身の日系3世
ハワイ出身だが、大学はエンゼルスタジアムから車で10分のカリフォルニア州立大学フラトン校。同校で全米チャンピオンになり全米大学代表チームにも選出された。2004年アスレチックスから2巡目(全体67位)で指名されプロ入り。2007年にメジャーデビュー。その後ナショナルズ、ツインズ、ブレーブス等へ移籍を繰り返したが、2019年はナショナルズでワールドシリーズ制覇を経験した。メジャー14年で通算打率 .259、OPS .708と数字は平均的だがチャンスに強い打撃が持ち味。一方守備面では年齢と共に衰えが目立ち、2015年以降盗塁阻止率が20%を超えたのは2017年(23.6%)だけである。
エンゼルスはキャッチャーも長年固定できておらず、正捕手が毎年入れ替わる状態が続いている。打撃と守備力、リーダーシップを兼ね備えるキャッチャーは球界でも貴重な存在なので、是非マイナーから育てて欲しい。
マイク・トラウト(29歳、中堅手)
3度のMVPを誇るメジャー最高選手をエンゼルスはポストシーズンでプレーさせられるのか?
右投げ右打ち、188cm、背番号27
2020年の成績
打率 | 本塁打 | 打点 | OPS | 盗塁 |
.281 | 17 | 46 | 0.993 | 1 |
2019年春に2030年までの契約を結んだ。今季年俸は3,712万ドル。2030年(38歳のシーズン)まで毎年この金額が保証されている。この契約にはトレード拒否権は含まれているが、途中で選手側から契約解除できる権利(オプトアウト)は含まれておらず、実質エンゼルスとの生涯契約である。
2020年はコロナ禍で60試合の短縮シーズンだった。162試合換算だと46本のホームランを打ち、MVP投票でも5位に入った。しかし打率 .281はメジャーに定着した2012年以来で最も悪い。ちなみにMVP投票5位というのも実は一番悪い。これまでの最悪は2017年の4位でそれ以外の年は1位か2位しか取ったことがない。一方で46打点は162試合換算だと124打点に相当する数字でこれはキャリアハイである(過去最高は2014年の111打点)。
プレーオフの経験はわずか3試合のみ
これほど最高の選手ながらプレーオフでプレーしたのは2014年のみ。その年も一回戦でロイヤルズに3連敗して終了。自身も3試合で打率 087と不振にあえいで終わってしまった。その後もチームはプーホルスに象徴される打者との大型契約に偏重し、長らく安定した勝率を残せていない。そのためエンゼルスはトラウトのプライム(絶頂期)を浪費しているとの批判が絶えない。果たして今年はプレーオフでトラウトを見られるだろうか?
トラウトのこれまでの
3度目のMVP受賞
2019年はキャリアハイとなる45本塁打を放つなど変わらぬ活躍を見せ、2014年、2016年に続き3度目のア・リーグMVPを受賞した。投票結果は1位トラウト、2位ブレグマン(アストロズ)、3位セミエン(アスレチックス)だった(西地区ばかりだ)。実質8年間のメジャー生活だが、8年連続でMVP投票の5位以内に入っているのは凄いとしか言いようがない。加えてこれまで2位も4回ある。
プレースタイル
トラウトのすごさは高いレベルでの安定感だ。彼の辞書には不振や不調という言葉がないかのように毎年、毎月安定した数字を残している。その基本にあるのは球をギリギリまで引きつけて、コンパクトなスイングでボールを叩けることだろう。特に低めのボールには滅法強く、低めのボールを決め球にする投手には辛い相手だ。
ただ主要打撃3部門のタイトルにはあまり恵まれず、2014年に打点王を獲得したことがあるだけだ。あと2012年には49盗塁で盗塁王となった。しかしリードオフマンから次第に主軸としてのバッティングを期待されるようになってから盗塁は漸減している。
守備に関しても俊足を活かした広い守備範囲を誇り、たびたびフェンス際でホームランボールをジャンピングキャッチする。唯一の弱点が肩の強さが平均並みなことと言われている。しかし2019年7月23日のドジャース戦でセンターからバックホームした送球は時速158kmを記録し、決して肩が弱いわけではないことを証明して見せた。
3年続けて故障者リスト入り
2017年にトレードマークのヘッドスライディングの際、左手親指の靭帯を断裂し約1ヶ月半の自身初の故障者リスト入りを経験した。2018年は8月に右手首の故障で2度目のDL入り。2019年9月には右足に神経腫である「モートン病」を発症、その除去手術を受けてシーズン終了となり、MVPは取ったが134試合の出場にとどまった。2016年以前はほぼ全試合に出場し続けてきただけに最近ケガが増えてきたことは少々気になるデータだ。
ブライス・ハーパーを遥かに超える成績
トラウトは同世代のスーパースターであるブライス・ハーパー(昨シーズン、ナショナルズからフィリーズに移籍)とよく比較されるが、成績的にはトラウトが圧倒している。デビュー以降の主要な数字を比較するとほとんどの数字でトラウトの圧勝だ。
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 出塁率 | OPS | |
トラウト(9年) | 1199 | .305 | 285 | 752 | 803 | 1118 | 200 | .419 | 1.000 |
ハーパー(8年) | 1084 | .276 | 219 | 635 | 684 | 1012 | 90 | .385 | .897 |
トラウトは性格も真面目で謙虚。高校時代からのガールフレンドと2017年に結婚した。ビッグマウスで悪童のイメージが強いハーパーとはここでも対象的である。
ちなみにプライベートでは無類の気象マニアとして知られている。嵐が起きると追っかけているらしい。
大谷翔平(26歳、投手&DH)
右投げ左打ち、193cm、背番号17
アンソニー・レンドーン(30歳、三塁手)
好不調の波の少ない安定感のある打撃
右投げ右打ち、185cm、背番号6
2020年の成績
打率 | 本塁打 | 打点 | OPS | 盗塁 |
.286 | 9 | 31 | .915 | 0 |
2019年12月にエンゼルスと7年総額245ミリオンの契約を結んだ。オプトアウトは含まれていないので36歳になるシーズンまでエンゼルスでプレーする。2021年の年俸は2807万ドル。
ナショナルズの最後の3年は毎年3割を超えていたので2020年の打率 .286はいいとは言えない。短縮シーズンだったしリーグが変わった影響もあるだろう。それでもOPS .915は立派だし、出塁率は .419とチームダントツだ(2位はトラウトの .390)。162試合の2021年が真価を問われるシーズンになる。出塁率が高いので管理人はレンドーン2番、トラウト3番がいいと思っている。
レンドーンのこれまで
ナショナルズ時代
テキサス州ヒューストン出身。テキサスの私立ライス大学で4割近い打率と長打力を誇るスラッガーとしてならし、全米大学代表として日本にも来日した。2011年ドラフト1巡目(全体6位)でナショナルズから指名されてプロ入り。
入団から2年もたたない2013年4月にメジャー昇格すると早々と二塁のレギュラーを獲得。98試合に出場して打率.265、OPS.725の成績を残した。その後守備位置は三塁に変わるが順調に成績を伸ばし2017年以降は3年続けて3割をマークしている。
2019年はそれまで主砲のブライス・ハーパーがFAで抜けたため、名実ともにナショナルズの中心打者としてチームを牽引した。チームはナ・リーグ東地区2位ながらワイルドカードでポストシーズン進出を決めた。
大活躍の2019年ポストシーズン
ドジャースから王手をかけられた地区シリーズ第4戦で3打点を挙げ、続く第5戦では逆転勝利につながる本塁打を放った。カージナルス相手のリーグチャンピオンシップでも毎試合安打を放ち、チーム史上初のワールドシリーズ進出に貢献した。
アストロズとのワールドシリーズでは王手をかけられた第6戦でレンドーンは5打点をあげて逆王手をかけた。第7戦は6回まで2点をリードされる苦しい展開だったが、7回にレンドーンのソロとケンドリックの2ランで逆転してそのままワールドシリーズを制した。レンドーンはポストシーズン全体で打率.328、5本塁打、15打点、OPS1.003の大活躍だった。
この年レンドーンはナショナルリーグのMVP投票で3位に入った(1位ベリンジャー、2位イエリッチ)。
エンゼルスへ移籍
2019年オフ、エンゼルスはゲリット・コールの獲得を目論んだが、ヤンキースとの争奪戦に敗れるとすぐに方針を転換し用意した資金をレンドーンとの契約につぎ込んだ。
最大の目標だったエース級の先発投手の補強は叶わなかったが、永年の課題であった三塁手をレンドーンで埋めることができたのは大きな収穫だ。何しろ三塁は2009年のチョーン・フィギンスを最後に固定できず、トレードやコンバートもことごとく失敗してきたエンゼルスの鬼門だった。2019年、ポジション別のOPSでエンゼルスの三塁手はメジャー最低だったのだ。レンドーンはエンゼルス史上最高の三塁手になる可能性がある。
アルバート・プーホルス(41歳、1塁手&DH)
シーズン後の引退は確定的。700号は難しいが偉大な選手のフィナーレだ!
右投げ右打ち、190cm、背番号5
2020年の成績
打率 | 本塁打 | 打点 | OPS | 盗塁 |
.224 | 6 | 25 | .665 | 0 |
2011年に結んだ10年契約の最終年を迎える。2021年(10年目)の年俸は3,000万ドル。
現役最終年が濃厚。700号達成は極めて難しいが・・
プーホルス自身は今シーズン後の去就については明らかにしていないが、成績の著しい衰えからして現役続行は難しいだろう。メジャーの歴史に残るレジェンドの勇姿も見納めである。
ちなみに2021年のオープン戦では16試合に出場して打率 .359、1本塁打、OPS .983(3月26日現在)と素晴らしい数字を残している。しかし正一塁手にはウォルシュが台頭し、プーホルスの今シーズンの出番は大谷の登板前後の休養日のDHか、代打として出る程度に限られるだろう。
700号ホームランまであと38本だが近年の衰えからして達成は極めて難しい。昨年が60試合の短縮シーズンになったのが痛かった。もし162試合だったならもう少し上積みできて、達成も十分現実的だったのだが・・・仮に今季終了後にあと数本で700号というのなら達成するまでの代打要員で契約するなんてストーリーも考えれるがそれも難しいだろう。
シーズン後にプーホルスの10年契約の総括をしなくてはならないが、完全な不良債権とまでは言わないが残念ながら金額には全く見合わなかった。エンゼルス移籍後から急激に打率も長打力も低下し、ごく普通の打者になった。想定よりも少なくとも3年早く衰えが来てしまった印象だ。契約は大失敗と言わざるを得ない。彼の契約が重荷となってエンゼルスの補強が思うように進まなかった面もある。
通算打率 | 本塁打(年平均) | 打点(年平均) | OPS | |
カージナルス時代(11年間) | .328 | 40.5本 | 120.8点 | 1.037 |
エンゼルス時代(8年間) | .258 | 26.4本 | 93.3点 | .764 |
NHKが名前の発音間違いを直さない
ちなみに日本語発声の権威を自任するNHKは彼のことを「プーホールズ」(ホにアクセント)と呼ぶのだが、エンゼルスの公式発音ガイドでは「POO-holes」、つまりプにアクセントがあって最後はスなので「プーホルス」。いい加減に正しい発音に直して欲しいと思うのだが一向にその気配はない。AngelsもNHKだけが「エンジェルス」。他はほとんど「エンゼルス」なので多数に合わせればいいと思うのだが自分流に固執して滑稽に感じる。
プーホルスのこれまで
「史上最高の右打者」
ドミニカ共和国出身。16歳のときに家族とともにアメリカに移住し、1999年6月カージナルスにドラフト13巡目(全体402位)という低い順位で指名を受ける。しかし入団後はメキメキと頭角を現し、マイナーはわずか1年で通過、メジャーデビューした2001年に打率.329・37本塁打・130打点という新人離れした成績を挙げた。シーズン終了後にはナ・リーグ新人王を満票で受賞し(史上9人目)、MVP投票でも4位に入った。当時はポジションはまだ固定されておらず、一塁、三塁、外野の守備についていた。ちなみに2001年にはオリックスからカージナルス入りした田口壮選手がチームメートにいた。
その後カージナルスでは11年間に渡り、毎年3割2分、40本塁打前後の成績を上げ(MVP受賞も3度)、「史上最高の右打者」の呼び名をほしいままにした。そして2011年のオフにFAとなりエンゼルスと10年契約を結んだ。32歳の選手に10年契約は長すぎるのではないかという批判も多かったが、当時はそれほどの大物だった。
成績低下に悩むエンゼルス移籍後
期待されて入団したプーホルスだったが、エンゼルスでは1年目から打撃不振に苦しんだ。4月の本塁打はゼロ。最終的に12年連続となる30本塁打に到達し、2年ぶり11度目の100打点もクリアした。しかしOPSは12年目で初めて.900を切り、本塁打数も自己最少にとどまった。
その後も爆発的な打棒は影を潜め、成績は毎年緩やかな下降線を描いた。2017年にはマイルストーンとなる通算600号本塁打を、2018年には通算3000本安打も記録したが、打率、本塁打ともにキャリア最低に近い成績に終わっている。
結局移籍後の8年間、成績はカージナルス時代には遠く及ばず、一度もカージナルス時代の輝きを放っていない。
プーホルスが成績を落とした理由、特に打率が大きく低下した理由に足の故障からくる走力の著しい低下がある。度重なる足の裏の故障/手術で、1塁までの到達に恐ろしく時間がかかる。相手からすれば内野安打の心配がないため、内野守備陣は定位置よりかなり後ろで守ることができる。後ろで守られると鋭い打球でも内野の間や頭上を抜くことが難しくなるためヒットゾーンは狭くなる一方だ。
また二塁にランナーでいる場合シングルヒットではホームに帰って来られない、一塁ランナーとしても普通の選手なら三塁への進塁が十分可能な打球でも二塁止まりということが多く、ランナーとしてはお荷物以外の何物でもない。そのため1点勝負の試合では終盤には代走を出されることが多い。
実直な人柄
プライベートでは離婚歴のある女性と結婚しているが(プーホルス自身は初婚)、その女性の連れ子がダウン症であったため、プーホルス自身も積極的にダウン症児のためのチャリティ活動にかかわっている。性格は誠実で、謙虚、人格者として知られる。カージナルス時代の同僚であった田口壮氏(現オリックスコーチ)との親交も続いている。契約が契約なだけに批判されることも多いが、野球選手としても人間としても真に尊敬に値する人物である。
ジャスティン・アップトン(33歳、レフト)
身体能力の塊のはずが、なぜそんなに早く衰える?
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右投げ右打ち、185cm、背番号10
2020年の成績
打率 | 本塁打 | 打点 | OPS | 盗塁 |
.204 | 9 | 22 | .711 | 1 |
2017年8月31日にタイガースからエンゼルスへ移籍。オフにエンゼルスと2018年から5年1億600万ドルで契約。2021年の年俸は2300万ドル。
ここ2年はケガにも祟られ、打率は見るも無惨な .214(2019年)、204(2020年)だった。しかし2021年のオープン戦では37打数14安打(.378)、4本塁打、OPS 1.236と大谷に次ぐ大爆発をしており復活の予感はある。契約はあと2年残っているがもし今シーズン復活できないようなら不良債権へまっしぐら。何とか健康で頑張って欲しい。
アップトンのこれまで
高校時代から将来を嘱望された逸材
バージニア州出身。高校時代から俊足巧打のショートとして最高の評価を受けていた。2005年にMLBドラフト全体1位でアリゾナ・ダイヤモンドバックスから指名される。ちなみに3歳上の兄メルビン・アップトン・ジュニアも、2002年にタンパベイ・デビルレイズから1巡目(全体2位)で指名されており、史上最高のドラフト順位の兄弟である。
驚異的な身体能力を誇るアスリートで、スケールの大きさ、攻守走に優れた素質から早熟の5ツール・プレーヤー、ケン・グリフィーJr.二世と呼ばれた。ダイヤモンドバックスでショートから外野手に転向しメジャーデビューを果たす。スピードとパワーをともに揃えたプレースタイルでレギュラーの座を掴んだ。
その後ブレーブス、パドレス、タイガースと移籍するが13年間のメジャー通算打率は.266とやや物足りない。とにかく好不調の波が大きくなかなか1年を通じて安定した成績を残せていない。また最近は外野守備でも緩慢な動作で長打を許してしまうことが増えてきた。
しかし2017年はタイガース/エンゼルスで、自己最高となる35本塁打・109打点・OPS .901をマークした。
ケガで始まり、ケガで終ったキャリアワーストの2019年
2018年の出場は145試合にとどまったものの、自身3度目の30本塁打を記録し長打力を見せつけた。2019年はトラウト、大谷と並び打線の核として期待されたが、こともあろうか開幕直前のオープン戦で守備中に右足親指を負傷し故障者リストに入ってしまった。6月17日の復帰後はまずまずの成績を残していたがオールスターを過ぎると急降下。9月11日には右ヒザの手術が必要となりシーズン終了。出場はわずか63試合、打率 .214はキャリア最低、OPS .724とホームラン12本もルーキーイヤーに次ぐキャリアワースト2位の惨憺たる成績で終わった。
あと年々守備力は低下している。2019年も緩慢な動きで長打を献上するシーンが時折見られた。プロ入り後に外野に転向したのだが、アマチュア時代は全米屈指の遊撃手だった。なので一塁にコンバートすることはできないのだろうか?
デビッド・フレッチャー(26歳、内野/外野手)
小柄ながら内外野が守れてシュアな打撃と勝負強さが光るファイトマン
右投げ右打ち、175cm、背番号22
2020年の成績
打率 | 本塁打 | 打点 | OPS | 盗塁 |
.319 | 3 | 18 | .801 | 2 |
2021年はメジャー最低保障年俸(約58万ドル)。
出身はエンゼルスのお膝元オレンジ郡オレンジ市。2015年にエンゼルスからドラフト6巡目(全体195位)で指名される。2018年にエンゼルスでメジャーデビュー。元々内野手だが外野もできるユーティリティ・プレーヤー。身体は小さいがファイトあるプレーと勝負強いバッティングでレギュラーを掴んだ。エンゼルスがワールドシリーズを勝った時の名ショート、デビッド・エクスタインを思わせる。
デビュー以来打率は .275(2018)、.290(2019)、.319(2020)と毎年着実にステップアップしている。2020年はチームで唯一3割を打ち、出塁率( .376)もレンドーン( .418)、トラウト( .390)に次ぐ3位だ。
今年は切り込み隊長としてリードオフマンを任されるだろう。ガンガン出塁してかき回し中軸につなげて欲しい。
フレッチャーのこれまで
長打力こそないが、チャンスに強いヒットメーカー
2019年はダントツチーム最多の173本のヒットを放った(2位はトラウトの137本)。これはア・リーグ全体でも13位にランクされる数字だ。2塁打30本もチームトップ。出塁率はトラウト(.438)に次ぐチーム2位(.350)で、ホームランこそ少ないが49打点はチーム5位だ。WARもトラウト(8.3)に次ぐチーム2位の3.8を記録した(大谷の2.5よりも高いことは注目に値する)。キャッチャーとファースト以外は全て守れるし、好守で多大な貢献をもたらした。
ジャレッド・ウォルシュ(27歳、一塁手)
最初は二刀流で注目され、昨年9月に突如ブレーク!正一塁手の座を死守できるか?
左投げ左打ち、183cm、背番号22
2020年の成績
打率 | 本塁打 | 打点 | OPS | 盗塁 |
.293 | 9 | 26 | .971 | 0 |
2021年はメジャー最低保障年俸(約58万ドル)。
超低位指名からメジャーへ
2015年にエンゼルスからドラフト39巡目(全体1185位)で指名される。この年エンゼルスは40巡目まで指名したので下から2番目、つまり入団時はほとんど期待されていなかった。ちなみに1巡目はタイラー・ワード(現在マイナー契約)でフレッチャーが6巡目だった。
当初は一塁も守れるが左の救援投手としても投げられる二刀流選手として注目された。2019年5月にメジャーデビューすると打者としては31試合89打席で打率 .203、1本塁打、OPS .605の成績だった。投手としては5試合に登板して5.0イニング、防御率1.80の数字を残した。
2020年シーズン、7月24日の開幕直後はベンチ入りしたものの全く打てず10日後にはマイナー落ちさせられた。しかし8月28日に再昇格後、チームはプレーオフが絶望となったこともあって先発起用されると急に打ち出した。9月2日から9月17日まで13試合で48打数20安打の打率 .417、7ホーマーと打ちまくって手がつけられなかった。最後は息切れしたが最終的に打率 .293、9本塁打、OPS .971と素晴らしい数字を残しレギュラー獲得への手がかりを掴んだ。
今シーズンはプーホルスを押しやり正一塁手として期待されている。しかし2021年のオープン戦は15試合で打率 .216、本塁打0、OPS .522と厳しい数字だ。現時点では今後の成長含みでまだ開幕スタメンが予想されるがその座を死守できるだろうか?
マックス・スタッシ(30歳、キャッチャー)
2020年に打棒が開花。正捕手の座を守れるか?
右投げ右打ち、178cm、背番号33
2020年の成績
打率 | 本塁打 | 打点 | OPS | 盗塁 |
.278 | 7 | 20 | .886 | 0 |
カリフォルニア州出身。兄や叔父がメジャーリーガーで、父親もマイナーでプレーしたという野球一家に生まれる。プロ入りは2009年、アスレチックスからドラフト4巡目(全体123位)で指名された。2013年にアストロズにトレードされると同年メジャー初昇格を果たした。しかし2017年までの5年間は出場機会に恵まれず、わずか49試合、89打席しかプレーさせてもらえなかった。2018年にはブライアン・マッキャン、マーティン・マルドナドらを抑えてようやく出場のチャンスを掴み、88試合で打率 .226、8本塁打を記録した。
2020年エンゼルスの正捕手に
2020年、短縮シーズンだったがスタッシは打撃面では進歩を見せた。開幕時はジェイソン・カストロの控えだったが、8月末にカストロがトレードで放出されると9月は正捕手に定着。打率も残したが、それまでのキャリア7年で12本塁打だったのが、わずか2ヶ月ほどで7本塁打を放った。この活躍が認められて2021年は正捕手の座を射止めたが、果たして1年間その座を守れるか注目である。
スタッシのこれまで
エンゼルス加入の経緯
2019年、エンゼルスは正捕手として獲得したルクロイのキャッチングがあまりにもお粗末で、パスボールのオンパレードに頭を痛めていた。7月、ルクロイが脳震盪で故障者リストに入ったのを機に後釜を探し始め、白羽の矢を立てたのがアストロズのスタッシだった。スタッシは守備力は高いものの、打率は1割台の低空飛行が続いていたが、それには目をつむって獲得した(同時にルクロイは解雇)。
スタッシはエンゼルス加入後、守備ではまずまずの貢献を見せたが打撃は酷かった。20試合に出場して42打数3安打、打率 .071、本塁打0本。いくら何でもこの数字は苦しすぎた。
その他メジャー定着を狙う選手
2018年以降、若手選手を何人もメジャーデビューさせたが、多くは打撃面で苦労しておりインパクトのある成績を残せていない。正直なところ、トラウト以降オールスターレベルにまで育った若手は皆無である。育成が悪いのかスカウティングがおかしいのか、貧弱なファームはエンゼルスの長年の課題だ。また他チームから移籍してきたベテラン崖っぷち組もメジャー定着、レギュラー奪取を虎視眈々と狙っている。
ジョー・アデル(21歳、外野手)
エンゼルス期待のプロスペクト!2020年メジャーデビューも早くも壁に!
右投げ右打ち、190cm、背番号7
2020年の成績
打率 | 本塁打 | 打点 | OPS | 盗塁 |
.161 | 3 | 7 | .478 | 0 |
ケンタッキー州ルイビル出身。2017年エンゼルスからドラフト1巡目(全体10位)で指名されたエンゼルスで最高のプロスペクトである。MLBのプロスペクト・ランキングでも全体5位に入るほどの超有望株で2019年秋にプレミア12大会のアメリカチームの一員として来日し、日本のファンにも強い印象を残した。
打撃の確実性にはやや課題があるものの、パワー、走力、送球、守備の全てに秀でた万能型選手。高校時代はピッチャーとして150キロ代後半の速球を投げていたという。父親はNFLからドラフト指名されたこともあるアメフト選手で、父親譲りの俊足も見物(みもの)である
2020年はコロナ禍でマイナーリーグは全て中止になってしまった。まだ3年目で未熟さの残るアデルには試合経験が必要と判断したエンゼルスは、やや時期尚早ではあったが8月3日にメジャーデビューさせた。結局ほぼ先発で38試合に出場したものの、124打数20安打(.161)と大きく低迷しメジャーの厚い壁に跳ね返された。
2021年のキャンプでは15試合で打率 .263、2本塁打、OPS 1.072とめざましい進歩を見せたが、外野の控えでいるよりもコンスタントにマイナーの試合に出た方がよいとの判断でマイナーで開幕を迎えることになった。
ルイス・レンヒーフォ(24歳、二塁手、遊撃手)
破談したドジャースとのトレード話で注目。ポテンシャルはそんなに高い?
右投げ左右打ち、178cm、背番号4
2020年の成績
打率 | 本塁打 | 打点 | OPS | 盗塁 |
.156 | 1 | 3 | .469 | 3 |
2021年はメジャー最低保障年俸(約58万ドル)。
ベネズエラ出身。2014年にシアトル・マリナーズと契約してプロ入り。その後レイズへトレード。2018年4月、エンゼルスが元ドラ1の一塁手CJ・クロンとの交換で獲得した。クロンはエンゼルスでは余剰戦力気味だったが、それなりに数字を上げていたクロンとの交換ではエンゼルスがだいぶ損した印象だ。
2019年4月にメジャー昇格すると、ラ・ステラ、シモンズ、コザートら内野手の相次ぐ故障もあって90試合に先発出場したが、打撃成績は平均以下だった。
2020年は33試合で90打数14安打( .156)、OPS .469と低迷。スピードはあるがバッティングはまだまだメジャーレベルにない。2021年の開幕もマイナーで迎えることが決まった。
ドジャースとのトレード話
レンヒーフォの名前が大きく報じられたのは2020年2月上旬にドジャースとのトレードが浮上した時だ。エンゼルスは36本塁打を放ったピーダーソン外野手に加えて、ドジャースで4番手の先発投手だったストリップリングも獲得するという。それだけでも十分魅力的な話なのだが、その交換相手がなんとレンヒーフォ(あとマイナー選手)というのにビックリした!
OC Register紙:内野はレンドーンで大補強!残るはシモンズ延長問題(2020/2/5)
しかし何をとち狂ったかトレードに時間がかかっている事に腹を立てたオーナーのモレノが、ケツをまくってトレード話から離脱してしまったのだ。こんなに美味しいトレードを蹴ってしまうとは何と愚かなオーナーかとファンを激しく失望させた。
OC Register紙:外野はアップトンの復活とグッドウィン次第(2020/2/10)
一方でドジャースがレンヒーフォにそれほどの価値を見いだしていたことに驚いた。ドジャース側の事情もあろうが、控えの内野手で目立った活躍もしていないレンヒーフォにレギュラー2人を差し出してもいいと考えた理由は何なのか?全くの謎であるがその答えはレンヒーフォ自らが出すしかない。
- マット・タイス(内野手)(25歳、右投げ左打ち、183cm、背番号23)
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2016年ドラフト1位もメジャーの壁で足踏み
2013年にレッドソックスが32巡目で指名したがそれを断って大学に進学。その後2016年ドラフト1巡目(全体16位)でエンゼルスが指名。2019年メジャー昇格し53試合で8本塁打を放ってなかなかの長打力を見せたが、打率( .211)は今ひとつだった。2020年は出場8試合にとどまりやや足踏み状態が続いている。2021年も開幕はマイナーで迎えることに決まった。
- フランクリン・バレト(内野手)(25歳、右投げ右打ち、178cm、背番号8)
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ベネズエラ出身。2012年ブルージェイズと契約してプロ入り。メジャー昇格は2017年移籍したアスレチックスで。同チームのトッププロスペクトにランキングされたこともある。2020年8月トミー・ラ・ステラをフラッグシップ・ディールで放出したその交換要員としてエンゼルス入り。メジャー4年間で出場101試合、打率 .175、OPS .549という数字なので戦力としてはほとんど期待できない。ラ・ステラの交換要員としてはエンゼルスが損をした印象だ。
2021年のスプリングトレーニングでは20打数7安打( .350)、OPS 1.059と結果を出したものの右ヒジの炎症で6週間の離脱が発表され開幕ロースターには残れなかった。開幕後どこまでステップアップしてくるか。
- ファン・ラガーレス(外野手)(32歳、右投げ右打ち、188cm、背番号19)
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ドミニカ出身。2007年メッツでプロ入り。2013年メジャーデビュー。メッツではレギュラーを獲得した時期もあったがややパンチ力不足でメジャー8年間の通算OPSは .659にとどまっている。しかし守備力の高さは折り紙付きである。2019年オフにFAとなってからはパドレスとのマイナー契約や古巣メッツへの復帰もあったが、ほとんどメジャーの試合には出場できていない。
2021年2月外野のバックアップを探していたエンゼルスの目にとまりマイナー契約、招待選手としてキャンプに参加した。オープン戦では37打数14安打(.378)、OPS .924と結果を出したが残念ながらマイナー落ちとなった。レギュラーの健康状態やアデルの調子次第ではメジャーから声がかかるかもしれない。
- ホセ・ロハス(内野手)(28歳、右投げ左打ち、183cm、背番号80)
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2016年のエンゼルスのドラフト36巡目指名(全体1086位)。エンゼルスのお膝元、アナハイム市の出身。メジャー経験はなかったが、2021年のキャンプで30打数10安打( .333)、2本塁打、OPS 1.154と頭角を現した。そしてレンフィーフォがマイナーに落とされ、バレトはケガで出遅れ、ロハスが開幕ロースターの座を掴んだ!1塁、2塁、3塁を守れるので内野レギュラーのバックアップを務める。
- タイラー・ワード(内野手)(27歳、右投げ右打ち、185cm)
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2015年のエンゼルスのドラフト1巡目指名(全体26位)。もともと捕手だったが打棒を活かすべく2018年に内野手にコンバートされた。2018年にメジャーデビューした。最初の2年は51試合に先発出場したが打率 .181、本塁打7、OPS .625と低迷。しかし2020年は34試合の出場で94打数26安打( .277)、本塁打0、OPS .716と改善し、2021年キャンプは16試合で打率 .348、2本塁打、OPS 1.187と大きくステップアップした。ただ内野のレギュラーに割って入るのは難しく、開幕はマイナーで迎えることになった。マイナーでさらに試合経験を積み大きく成長してメジャーに帰ってきて欲しい。
- アンソニー・ベンブーム(キャッチャー)(31歳、右投げ左打ち、188cm)
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2012年にエンゼルスが指名した選手だが、芽が出ないうちにルール5ドラフトでロッキーズが獲得。その後レイズを経て2019年再びエンゼルスへ。2019年がメジャーデビューだが打率 .145、OPS .349と打撃面では全く通用しなかった。その後2020年、2021年キャンプを経てもなかなか打撃成績は向上せず、今年の開幕もマイナーで迎えることとなった。しかし捕手のスタッシ、スズキらがケガしたり不調に陥ればベンブームの起用もあるかもしれない。