2021年のエンゼルスの救援投手陣を紹介する。
ブルペンはほぼ総取っ替え
エンゼルスは今オフ多くのリリーフ投手を切った。昨年の顔ぶれからいなくなった救援投手は9人にも及ぶ。
退団したリリーフ投手
ハンセル・ロブレス(30)(FA退団。ツインズと契約)
ケイナン・ミドルトン(27)(FA退団。マリナーズと契約)
カム・ベドローシアン(29)(FA退団。レッズと契約)
ノエ・ラミレス(31)(ライセル・イグレシアスとの交換要員でレッズへトレード→しかし開幕直前にレッズをDFAされ、再びエンゼルスに)
ジャスティン・アンダーソン(28)(FA退団。レンジャースと契約)
マット・アンドリーズ(31) (FA退団。レッドソックスと契約)
ジェイコブ・バーンズ(31)(DFA。メッツが獲得)
ライアン・ブッチャー(34)(FA退団。ダイヤモンドバックスと契約)
ホビー・ミルナー(31)(FA退団。ブリュワーズと契約)
FA権を取得した投手とはほとんど再契約しなかったが、彼らはいずれも他球団と新しい契約を結べているので、いたずらに実力がなくて切られたというわけでもなさそうだ。2019年クローザーまで務めたハンセル・ロブレス、トミー・ジョンからの復活を目指していたミドルトンなどは再契約しなかったのが不思議なくらいである。先発投手よりも一足先にリストラを実行した感じだ。
開幕時点で昨年から残っているリリーバーはマイヤーズのみになっている。
しかし当たり前と言えば当たり前だが、投手が課題のエンゼルスを退団した投手に手を出すチームにはドジャース、ヤンキース、レイズ、パドレスといった有力球団はいない。お払い箱寸前の投手を格安で獲得して「働けば儲けもの」みたいな戦略からは早くエンゼルスも脱却して欲しいものだ。
昨年からのそのまま残った主要リリーフ投手
タイ・バトリー(28、右)→開幕直前にマイナー降格されると、唐突に引退発表した。
マイク・マイヤーズ(29、右)
フェリックス・ペーニャ(31、右)→開幕前に右ふくらはぎのケガでIL入り。2-4週間の離脱予想。
新加入のリリーフ投手(ロースターに入っている選手)
ライセル・イグレシアス(31、右)
アレックス・クラウディオ(29、左)
スティーブ・シシェック(34、右)
トニー・ワトソン(35、左)
ジュニオール・ゲラ(36、右)
クリス・ロドリゲス(22、右)
アーロン・スレガーズ(28、右)
いきなり打たれる新クローザー
大きな補強はレッズからトレードでクローザーのライセル・イグレシアスを獲得したことだ。1年を戦う上でクローザーを確定できるのは非常に大きい。マイヤーズがセットアップマンで、R・イグレシアスがクローザーとして安定してくれれば大きな戦力アップになると思われた。
ところが、R・イグレシアスは最初の1週間、4回登板して3度リリーフ失敗。いきなりホームランを打たれたのが2度、もう1度は死球で出したランナーを自らの三塁暴投で返してしまった。球威、コントロール、守備力とも不足しており、とてもじゃないが安心して9回を任せられる状態ではない。そのためクローザーは早くも日替わりとなっている。
またチームは開幕2日前に、所属先からリリースされた右腕シシェックと左腕ワトソンを急遽補強した。バトリー、ペーニャがいなくなったことが原因だろう。
ブルペンの懸念材料
懸念材料はクローザー不在に加え、左のリリーバーが二人しかいないこと、さらに34歳を超える高齢投手がシシェック、ワトソン、ゲラと3人もいることだ。
とにかくブルペンは去年からほとんど入れ替わってしまったのでどのように使っていくかは手探り状態だ。
あとマイナー契約だが37歳のジェシー・チャベスと契約したのには驚かされた。2017年にエンゼルスで主に先発で投げた投手だが、7勝11敗、防御率5.35と大事な試合でことごとく打たれたイメージしかない。その後カブス、レンジャースで衰えながらもリリーフで投げていたが、さすがに37歳という年齢を考えるとマイナー招待とはいえ契約する意味はないだろう。これもカブス時代のマドン監督の引きなのだろうか?マドン監督は優秀と聞くが、昔の部下を優遇しすぎのきらいがある。
(ちなみに開幕前にチャベスはやはりリリースされた)
-
- ライセル・イグレシアス (右投げ)
- アレックス・クラウディオ(左投げ)
- マイク・マイヤーズ(右投げ)
- フェリックス・ペーニャ(右投げ)
- クリス・ロドリゲス(右投げ)
- ジュニオール・グエラ(右投げ)
- アーロン・スレガース(右投げ)
- スティーブ・シシェック(右投げ)
- トニー・ワトソン(左投げ)
- その他メジャー定着を狙う投手
- タイ・バトリー(右投げ)
- ライセル・イグレシアス(31歳、188cm、右投げ)(背番号32)
- アレックス・クラウディオ(29歳、190cm、左投げ)(背番号58)
- マイク・マイヤーズ(29歳、右投げ、188cm) (背番号21)
- フェリックス・ペーニャ(31歳、188cm、右投げ)(背番号64)
- クリス・ロドリゲス(22歳、188cm、右投げ)(背番号73)
- ジュニオール・ゲラ(36歳、183cm、右投げ)(背番号41)
- アーロン・スレガース(28歳、208cm、右投げ)(背番号57)
- スティーブ・シシェック(34歳、198cm、右投げ)(背番号40)
- トニー・ワトソン(35歳、193cm、左投げ)(背番号35)
- その他、メジャー定着を狙う投手
- パトリック・サンドバル(24歳、左投げ、190cm)(背番号43)
- ホセ・スアレス(23歳、178cm、左投げ)(背番号54)
- タイ・バトリー(29歳、右投げ、198cm)(背番号31)
- 開幕直後に突然の引退表明!何とももったいない Embed from Getty Imageswindow.gie=window.gie||function(c){(gie.q=gie.q||[]).push(c)};gie(function(){gie.widgets.load({id:'rIO2OSTyQEJvgwnoKTNPAg',sig:'3qibfDsEc-ZG6eNQwx-lOOMnpG4uhoSE0HNfaCfVFEA=',w:'594px',h:'393px',items:'1305557283',caption: true ,tld:'com',is360: false })});
- バトリーのこれまで
- 2020年の成績
ライセル・イグレシアス(31歳、188cm、右投げ)(背番号32)
レッズのクローザーだった亡命キューバ人。開幕直後から不安定さを露呈!
2020年の成績(シンシナチ・レッズ)
試合数 | 勝利 | 敗戦 | イニング | 防御率 | 三振 | 四球 | WHIP |
22 | 4 | 3 | 23.0 | 2.74 | 31 | 5 | 0.913 |
2021年は912万ドルの1年契約。来年はFAになる。
キューバ出身。2013年、23歳の時に米国へ亡命してレッズと契約した。2015年にレッズでメジャーデビュー。2017年からクローザーに定着し、昨年までの4年間で100セーブは立派な数字。メジャー実働6年間で4度は防御率2点台、通算防御率も3.15である。SO9は通算で10.5、ここ2年は12を超えており三振を取れる投手だ。Fangraphsのリリーフ投手ベスト60ランキングでは6位に入っている(ちなみにエンゼルスで60位以内に入っているのは彼だけ)。
中継ぎのノエ・ラミレス(あとマイナー選手)との交換トレードで獲得したのだが、年俸もバカ高くはないし、成績だけ見るとずいぶんエンゼルスが得をした印象だ。これで防御率2点台、25-30セーブ上げてくれれば超グッド・ディール!
と思ったのだがそうは問屋が卸さなかった。最初の登板はとても良かったのだが、その後3連続で救援に失敗している。このままではとてもクローザーを任せられない。調子が戻るまでと30過ぎのベテランリリーバーに固執するのは良い戦略ではない。クローザーが炎上を続けるとチームの成績に直結するので見切りを付けるなら早めの方が良い。
アレックス・クラウディオ(29歳、190cm、左投げ)(背番号58)
左の変則サイドスロー。左の手薄なブルペンには貴重な存在
2020年の成績(ミルウォーキー・ブルワーズ)
試合数 | 勝利 | 敗戦 | イニング | 防御率 | 三振 | 四球 | WHIP |
20 | 0 | 0 | 19.0 | 4.26 | 15 | 6 | 1.263 |
ミルウォーキー・ブリュワーズからFAになり、エンゼルスと1年112万ドルで契約。来年には再びFAになる。
2010年のMLBドラフト27巡目(全体826位)でテキサス・レンジャーズから指名され、プロ入り。2014年にメジャーデビューすると、2017年まで毎年防御率は2点台と安定した成績を残した。しかし2018年から2020年まではずっと防御率4点台と悪化させた。ストレートは最高球速で88マイル(143km)とメジャーでも最も球が遅い投手の一人。しかしシンカーなど変化球を多投しバットの芯を外す投球術で生き残ってきた。2017年以前の安定感を取り戻せれば大きく貢献できるかもしれない。左の変則フォームで左バッターには強い。
マイク・マイヤーズ(29歳、右投げ、188cm) (背番号21)
DFAで拾った選手が突然の大ブレーク!エンゼルス・ブルペンで最も安定!
2020年の成績
試合数 | 勝利 | 敗戦 | イニング | 防御率 | 三振 | 四球 | WHIP |
29 | 2 | 0 | 30.0 | 2.10 | 43 | 9 | 0.900 |
2021年は年俸調停を回避して1年120万ドルで契約。
2013年のMLBドラフト3巡目(全体93位)でカージナルスから指名されプロ入りし、2016年メジャーデビュー。しかしその後の4年間で73試合に登板したが防御率7.03と鳴かず飛ばずで、2019年オフにカージナルスからDFAされた。そこをダメ元で拾ったのがエンゼルスだった。ところがこれが思わぬ拾いもので2020年に突然ブレークした。
2020年9月は月間最優秀リリーバーに!
シーズン3度目の登板となった7月31日のマリナーズ戦で4失点を喫したが、その後の26試合では防御率0.99をマーク。9月は14試合に登板して18回1/3を投げ、2勝0敗2セーブ、3ホールド、防御率0.98、25奪三振とほぼ完璧なピッチングを披露して、9月のア・リーグ月間最優秀リリーバーに選出された。
結局2020年エンゼルスの投手の中で最も防御率がよかった。2点台だったのはマイヤーズだけだった。
カージナルス時代は投球の50%以上がストレート、そしてスライダーが多かったが、エンゼルスではスライダーを減らしそれまで投げなかったカッターを習得したのが奏功した。今年もいい成績を上げてくれれば本物だ。
フェリックス・ペーニャ(31歳、188cm、右投げ)(背番号64)
2021年はロングリリーフの役目を担うと思われる
2020年の成績
試合数 | 勝利 | 敗戦 | イニング | 防御率 | 三振 | 四球 | WHIP |
25 | 3 | 0 | 26.2 | 4.05 | 29 | 8 | 1.313 |
2021年は110万ドルの1年契約。FAになるのは2024年。
ドミニカ出身。プロ入りは2009年カブスで。2016年にメジャーデビューしたが目立った成績は上げられず2017年オフにDFAされたのをエンゼルスに拾われた。エンゼルスでは2018年、2019年と先発で実績を残した。
2019年7月12日のシアトル・マリナーズ戦は急死したスカッグスの事実上の追悼試合であったが、2回を投げたテイラー・コールを引き継いで3回からに2番手で登板すると7回を1四球無安打に抑え、継投でノーヒットノーランを達成した。8月までにチームトップの8勝を上げたが、8月3日のインディアンス戦で一塁ベースカバーに入った際に右膝ACL断裂の重傷を負った。
幸い回復は順調で2020年には完全復帰したが、リリーフに回ったシーズンで印象的な活躍は出来なかった。おそらく2021年もリリーフ、特にロングリリーフの役目を担うものと思われる。
マドン監督はカブス時代の恩師でよく知った仲である。
しかし2021年の開幕は右足ふくらはぎの故障のためいきなり故障者リスト入り。復帰は4月後半以降と思われる。
クリス・ロドリゲス(22歳、188cm、右投げ)(背番号73)
開幕メジャーを勝ち取った久々にイキの良い生え抜き投手!
今年がメジャー初昇格。2021年はメジャー最低年俸の約58万ドル。
フロリダ州出身。プロ入りは2016年エンゼルスが4巡目、全体126位で指名。昨年までメジャーでプレーした経験はなく、しかも2020年はマイナーの試合が全て中止となったため公式登板もなかった。しかし2021年のキャンプで頭角を現すとそのまま開幕メジャーの座を勝ち取った。
エンゼルス内のプロスペクト・ランキングでは第4位にランクされていたものの、メジャーでは100位にも入っていなかった。2018年と2019年は背中の故障に苦しみ、わずか9.1イニングしか投げられなかった。しかし手術を受けて回復すると90マイル台後半のボールをコンスタントに投げられるようになった。フォーシームの他にツーシーム・シンカー、スライダー、チェンジアップ、カーブなどの変化球で空振りとゴロアウトを取れる。
2021年は最初の2回の登板で4.2イニングを1失点と印象的な働きを見せた。このままメジャーに定着して将来はダルビッシュのような投手に育ってくれるよう期待。
ジュニオール・ゲラ(36歳、183cm、右投げ)(背番号41)
かつてはブルワーズの先発を担ったベテラン
2020年の成績(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)
試合数 | 勝利 | 敗戦 | イニング | 防御率 | 三振 | 四球 | WHIP |
25 | 3 | 0 | 26.2 | 4.05 | 29 | 8 | 1.313 |
2021年はメジャー最低年俸の約59万ドル。
ベネズエラ出身。2001年にアマチュアFAでブレーブスと契約。その後マイナーを経て、独立リーグやスペイン、イタリア、メキシコなどでプレー。2015年にホワイトソックスと契約するとメジャーデビューも果たした。2016年からブルワーズで4年を過ごし先発ローテーションの一角を担った。昨年ダイヤモンドバックスからFAになり、2021年1月にエンゼルスとマイナー契約を結んでキャンプ招待選手となった。ブルペンに故障者が続いたこともあり開幕メジャーを勝ち取った。
メジャー6年で444.1イニングを投げ、通算防御率は3.77となっている。
エンゼルスではブルペンに回り、2021年は2回登板して2.2イニングを無失点で切り抜けている。36歳という年齢からしてもあまり大きなインパクトは引き出せないだろうが、調子の良い選手を起用するマドン流で結果を残していくことが期待されている。
アーロン・スレガース(28歳、208cm、右投げ)(背番号57)
NBA選手並みの身長208センチを誇る右腕
2020年の成績(タンパベイ・レイズ)
試合数 | 勝利 | 敗戦 | イニング | 防御率 | 三振 | 四球 | WHIP |
11 | 0 | 0 | 26.0 | 3.46 | 19 | 5 | 0.88 |
2021年はメジャー最低年俸の約59万ドル。
カリフォルニア州出身。2013年ツインズから4順目、全体140位で指名されプロ入り。メジャーデビューは2017年でその後レイズへ移籍。さらに2021年2月にエンゼルスへトレードされた。4年間のメジャー生活では昇格と降格を繰り返し安定した成績は残せていない。
身長208センチの大型右腕で直球の球速は92マイル程度。スライダー、チェンジアップなどの変化球の切れとコントロールで勝負するタイプ。
スティーブ・シシェック(34歳、198cm、右投げ)(背番号40)
長身からの変則サイドスロー、スライダーとシンカーが生命線
2020年の成績(シカゴ・ホワイトソックス)
試合数 | 勝利 | 敗戦 | イニング | 防御率 | 三振 | 四球 | WHIP |
22 | 0 | 0 | 20.0 | 5.40 | 21 | 9 | 1.500 |
2021年は100万ドルの1年契約。
カリフォルニア州出身。2007年マーリンズから5順目、全体166位で指名されプロ入り。メジャーデビューは2010年。その後11年間、延べ5チームで594試合、全て救援で登板している。2018年、2019年はカブスのマドン監督の下でプレーした。この2年間で150試合に登板、防御率2.55と素晴らしい成績を残したが、2019年以降は成績を大きく落としているのが気がかりだ。
2021年はアストロズとマイナー契約してキャンプの招待選手として参加していたが、3月25日にリリースされた。そしてその4日後にエンゼルスとメジャー契約した。やはりマドン人脈からの契約だろう。
長身だが右サイドスローの変則フォームから、スライダーと90マイル前後のシンカーだけで投球を組み立てる。
トニー・ワトソン(35歳、193cm、左投げ)(背番号35)
貴重な左腕リリーバー。年齢から来る衰えが心配
2020年の成績(サンフランシスコ・ジャイアンツ)
試合数 | 勝利 | 敗戦 | イニング | 防御率 | 三振 | 四球 | WHIP |
21 | 1 | 0 | 18.0 | 2.50 | 15 | 3 | 1.09 |
2021年は100万ドルの1年契約。
アイオワ州出身。2003年、2006年と2度ドラフト指名を蹴っている。2007年自身3度目の指名をパイレーツから9巡目、全体278位で受けてプロ入り。メジャーデビューは2011年。パイレーツでは7年間でセットアッパー、クローザーとして450試合に登板し、通算防御率2.68と安定した成績を残した。2018年にジャイアンツと3年950万ドルで契約。FAとなった2021年はフィリーズと契約したものの、キャンプで振るわず3月26日にリリースされた。その3日後にエンゼルスと1年100万ドルで契約した。
貴重な左腕のリリーバー。左腕の不足するエンゼルスにとっては良い補強だ。問題は年齢から来る衰えがどの程度のものかという点だ。投球の4割はチェンジアップ。フォーシーム、シンカー、スライダーを交える。直球の球速は90-91マイル程度。
その他、メジャー定着を狙う投手
パトリック・サンドバル(24歳、左投げ、190cm)(背番号43)
制球力が課題の速球派左腕 Embed from Getty Imageswindow.gie=window.gie||function(c){(gie.q=gie.q||[]).push(c)};gie(function(){gie.widgets.load({id:'GzMOSMe8SwZ73zOVem2Ljw',sig:'xB2ijhu6ylbFBhYCMZQaC7MhpsyNoOd0eoof8Znrh2Y=',w:'594px',h:'429px',items:'1306409501',caption: true ,tld:'com',is360: false })}); 2020年の成績
試合数 | 勝利 | 敗戦 | イニング | 防御率 | 三振 | 四球 | WHIP |
9 | 1 | 5 | 36.2 | 5.65 | 33 | 12 | 1.336 |
2019年に初めてメジャーに上がった。長身からの最高速球96マイルの速球が武器だが、39イニングで19四球とコントロールに課題があった。2020年は経験を積ませる意味で先発を任される試合が多かった。課題の制球力は36イニングで12四球と改善を見せた一方で防御率は悪化し平凡な成績で終わった。2021年は先発の駒が揃っているのでリリーフで投げることが多そうだ。
ホセ・スアレス(23歳、178cm、左投げ)(背番号54)
炎上続きのベネズエラ人。メジャーでプレーさせる意味がわからない
2020年の成績
試合数 | 勝利 | 敗戦 | イニング | 防御率 | 三振 | 四球 | WHIP |
2 | 0 | 2 | 2.1 | 38.57 | 2 | 5 | 6.429 |
ベネズエラ出身。2019年は投げるたびに炎上するイメージしかなかったが、2020年は炎上がさらに加速。8月に2試合先発で使ってもらったがいずれも2回持たず5失点ずつでKO。なぜいまだにメジャーで使うのかエンゼルスの謎の一つだ。モレノのヒスパニック枠なのか?そもそもまだ23歳なのに178cm、102kgって太りすぎだろう。大谷より15センチも身長低いのに体重は同じという・・・この歳にしてバルトロ・コロンを目指しているのか?
ルーク・バード(30歳、右投げ、190cm) (背番号39)
2012年の全体1巡目指名のエリートだが、目立った活躍なし
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2020年の成績
試合数 | 勝利 | 敗戦 | イニング | 防御率 | 三振 | 四球 | WHIP |
6 | 0 | 0 | 5.1 | 6.75 | 7 | 0 | 1.310 |
2012年にミネソタ・ツインズから1巡目(全体42位)で指名されたエリート投手。しかし全く芽が出ず、2017年にルール5ドラフトでエンゼルスが獲得。その後所属は紆余曲折あったが2019年はエンゼルスで49イニングを投げ、防御率4.78の成績。
2020年は登板機会が減り、6試合5.1イニングしか投げなかった。敗戦処理的な登板が多かったが、目立った活躍はできていない。ストレートの回転数はメジャーでトップクラスらしいが、いかんせん成績が悪すぎる。
タイ・バトリー(29歳、右投げ、198cm)(背番号31)
開幕直後に突然の引退表明!何とももったいない Embed from Getty Imageswindow.gie=window.gie||function(c){(gie.q=gie.q||[]).push(c)};gie(function(){gie.widgets.load({id:'rIO2OSTyQEJvgwnoKTNPAg',sig:'3qibfDsEc-ZG6eNQwx-lOOMnpG4uhoSE0HNfaCfVFEA=',w:'594px',h:'393px',items:'1305557283',caption: true ,tld:'com',is360: false })});
開幕直前にバトリーのマイナー行きが発表されたのには驚いた。しかしもっと驚いたのがマイナー行きの理由がバトリーの引退だったからだ。
バトリーは開幕直後に自身のインスタグラムで現役引退を示唆した。「野球から去る決断をした」とし、理由について「野球がどんどんビジネス化し、ゲームでなくなっていった。野球に対する愛情や情熱が薄れてくるのをどうすることもできなかった」とつづった。
バトリーは12年にドラフト4巡目でレッドソックスに入団し、18年にエンゼルスでメジャーデビュー。3年間で8勝11敗11セーブ、防御率4・30で、今季も救援陣の重要な戦力の1人だった。チームは取りあえずバトリーを制限リストに入れ、本人に戻る気持ちが出たときは受け入れるとしている。
野球に限らずプロで十分通用する選手が健康であるにもかかわらず突然引退してしまう例はある。管理人が思い浮かべるのはNBAペイサーズのポイント・ガード、ダレン・コリソン。2019年に突然、引退宣言した。理由は自らが信仰するエホバの証人の宗教活動に専念するためだった。とにかく他人もうらやむアスリート能力がありながら、そういう事情で引退してしまうのは私のような一般人からすればもったいないという感想しかない。
バトリーのこれまで
2020年の成績
試合数 | イニング数 | 勝利 | 敗戦 | セーブ | 防御率 | 三振 | 四球 | WHIP |
27 | 26.1 | 2 | 3 | 5 | 5.81 | 18 | 9 | 1.405 |
2021年の年俸は58万ドル(最低保障年俸)。
2012年にボストン・レッドソックスから4巡目で指名されプロ入り。その後はマイナー暮らしが続いていたが、ボストンでは有数のプロスペクトにランキングされていた。2018年7月に優勝を諦めたエンゼルスはイアン・キンスラーをレッドソックスにフラッグシップ・ディールで放出し、その見返りでバトリーを獲得した。エンゼルスでは移籍後すぐにメジャーデビューを果たした。移籍後16試合に登板して16.1イニングを投げ、0勝1敗4セーブ、防御率3.31、20奪三振というまずまずの成績を残した。
2019年前半は無双状態だったが後半以降失速
2019年はセットアッパーとしてクローザーにつなぐ重要な局面を任され、開幕から11試合連続無失点。7月上旬までは前半に登板した40試合で防御率2.20と抜群の安定感を誇った。しかしオールスター後は急激に成績を落とし、後半に登板した31試合は防御率6.32と別人のようだった。
少なくとも支配的だった前半はバトリーをクローザーに抜擢すべきだったと思うが、無策のオースマスは先発を早々と引っ込めては困った時のバトリー頼みという起用を繰り返し、バトリーは酷使されていった。
シーズンオフにバトリーが語ったところでは、後半成績を落としたのは疲労のせいではなく、投球フォームの問題とのこと。しかしオースマスから酷使された影響が大きいとみるのが妥当だろう。
続く2020年も安定感を欠き、防御率は過去3年で最も悪化した。もし成績悪化が2019年の酷使から来るとすれば、トミー・ジョンなどの可能性もある。前半戦の戦いに注目だ。