チーム紹介(2023年版)

エンゼルスというチーム(2023年版)

2015年以降続く低迷

知将マイク・ソーシア監督の下、2002年にワールドシリーズ制覇を成し遂げ、その後も2000年台はプレーオフ常連だったエンゼルスだが、プレーオフに出たのは2014年が最後で、この8年はプレーオフ進出どころか勝ち越すことも出来ない低迷が続いている。

2018年オフにマンネリ気味のマイク・ソーシアと契約延長せずブラッド・オースマスを監督を迎えたが、2019年は72勝90敗(勝率. 444)と20年ぶりの90敗を喫し、オースマスはわずか1年で解雇された。新型コロナの影響で60試合の短縮シーズンとなった2020年は名将の誉れ高いジョー・マドンを新監督に迎えたが結果は26勝34敗(勝率. 433)とさらに成績を落とした。翌2021年は77勝85敗(勝率. 475)と一向に改善の兆しは見えなかった。

迎えた2022年は4月は好調だったが、5月に球団ワーストの14連敗を喫して事実上ここでシーズンは終わってしまった。連敗中にマドンは解任され、3塁コーチのフィル・ネビンが監督代行に昇格したが、結局73勝89敗と過去20年では2019年に次ぐ悪い成績で終わった。ちなみにマドン監督解任前は27勝29敗だったがネビン代行になった後は46勝60敗で、監督交代が上手く行ったとは言いがたい。

2022年のエンゼルスの戦いぶりを振り返る

労使交渉に揺れたが2022年シーズンは最初の2カードがキャンセルされ1週間遅れの開幕となったものの通常通り162試合で行われた。ナ・リーグでもDHが採用され、ポストシーズンへは各リーグの各地区優勝の6チームとワイルドカードが3チームずつ、合計で12チームが進出できるようになった。

ウォード覚醒!4月は好調

開幕後は投打共に好調で、特にライトに起用されたウォードがMVP級の大活躍。最初の30試合でOPS 1.194、本塁打9本と大爆発してチームを波に乗せた。ウォードに引っ張られたチームは5月24日の時点で27勝17敗と大きく勝ち越し、チーム8年ぶりのポストシーズン進出を期待させた。

フランチャイズ・ワーストの14連敗で監督も更迭

しかし5月26日にレンドーンがケガで離脱するとチームは一気に失速、チーム史上最悪の14連敗を喫してしまう。この間マドン監督は更迭されネビンが監督代行となったが、それ以降チームが勢いを取り戻すことはなかった。連敗はレンドーンの離脱も大きかったが、ループ、イグレシアスらの救援投手が総崩れで勝ちゲームを何度も吹き飛ばした。

フレッチャー、レンドーン、トラウト、ウォルシュと野手が次々に離脱

その後トラウト、ウォルシュ、フレッチャーらが次々とケガで離脱すると打線は完全に勢いが止まった。代わりに起用されたアデル、ダフィー、ウェイド、ベラスケス、フォード、メイフィールドらはほとんど戦力にならず、4番から9番の得点力不足は深刻だった。

結局73勝89敗、ア・リーグ3位でシーズンを終え、首位のアストロズからは33ゲーム差、ワイルドカードでポストシーズンに進出したマリナーズからも17ゲームも引き離されての惨敗となった。

マイナーシステムに根本的な問題

エンゼルスのマイナーからはこの20年近く一流と言える投手がほとんど育っていない。サイ・ヤングを狙えるほどの投手と言えば、ジョン・ラッキー、アービン・サンタナ、ジェレッド・ウィーバーくらいしか思いつかない。あとは抑えのK・ロッドくらいか。投手を育てられないチームに未来はないだろう。

あまりに貧弱な育成システムだが、そこにはコーチらへの待遇がリーグでも最低に近く、有能な人材を確保できないという問題があった。マイナーの選手からは満足な食事も与えられないと告発された。またデータ分析への投資を怠り、トップを行くアストロズからは3年は遅れていると言われる始末。これではどんなに有望な新人を獲得しても育てられないはずだ。その根本は選手育成を軽視するオーナーのアルトゥロ・モレノにあった。

モレノが球団売却を決断

8月23日、球団はチームの売却を検討すると発表した。

76歳になったモレノだが、4人の子供は誰も球団経営に関心がなく後継者がいない。180ミリオンで買った球団が今なら2000ミリオンを超える高値での売却が見込まれる。すでに候補者も数人に絞られ、2023年開幕までの決定を目指しているようだ。チームがどのような方針で運営されていくのかは新オーナー次第である。

2022年オフの動き

球団売却を明らかにしたので新オーナーが決まらないと大型契約を結びにくくなってしまった。贅沢税ラインは超えないという不文律も相変わらずだ。そのため小粒な契約が目立つが補強ポイントはある程度は穴埋めできた。欲を言えばあと先発1人、ブルペン1人、ショート、捕手の補強が欲しい。

野手では多くのバックアップ選手をリリースし、代わりに中堅の選手を獲得した。29本塁打のレンフロー外野手、同28本のドゥルーリー内野手、同13本のウルシェラ内野手を補強。デプスチャートは大きく改善した。

先発ではシンダーガードとロレンゼンを失ったが、15勝のアンダーソンを獲得。

ブルペンはイグレシアス(トレード)、ブラッドリー(FA)、マイヤーズ、オルテガらがいなくなった。主要な補強はエステベス。

捕手はスズキが引退。マーシュとのトレードで獲得した22歳のオハッピ-の成長に期待がかかる。

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