- 1年契約のベテラン頼みからようやく脱皮
- ノア・シンダーガード(29歳、198cm、右投げ)(背番号34)
- パトリック・サンドバル(25歳、左投げ、190cm)(背番号43)
- エンゼルス左のエースに成長!二ケタ勝利の期待がかかる!
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- マイケル・ローレンゼン(30歳、190cm、右投げ)(背番号25)
- ホセ・スアレス(24歳、178cm、左投げ)(背番号54)
- リード・デトマース(22歳、188cm、左投げ)(背番号51)
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- 期待の左のホープ!将来はカーショウのようなタイプになるかも
- グリフィン・キャニング(25歳、188cm、右投げ)(背番号47)
1年契約のベテラン頼みからようやく脱皮
2022年のエンゼルスの先発投手陣を紹介する。
ここ数年繰り返された30代のベテラン先発投手を1年契約で獲得してローテーションの中軸とするという弥縫策からようやく脱皮した。昨年開幕時のローテーションにいたバンディ、キンターナ、カッブ、ヒーニーの4人が退団、顔ぶれが大きく入れ替わった。
2022年の予想される先発ローテーションは、大谷、シンダーガード、サンドバル、ローレンゼン、スアレス、デトマースである。
昨年と比較して大谷、サンドバルら期待の若手が一本立ちしたことが大きい。そこにシンダーガードを獲得して不安定だったローテーションに1本芯が通った感じだ。さらにデトマースらの他の若手の台頭も明るいニュースだ。
一方で故障明けのシンダーガードは手探りの状態だし、スアレス、ローレンゼンらは先発としての実績は乏しく不確定要素は多い。また期待の若手の一人グリフィン・キャニングが腰の故障のため前半は絶望となっているのは痛手だ。
しかし全体としては昨年よりアップグレードできたのは間違いない。
- 大谷翔平(右投げ)別項掲載予定
- ノア・シンダーガード(右投げ)
- パトリック・サンドバル(左投げ)
- マイケル・ローレンゼン(右投げ)
- ホセ・スアレス(左投げ)
- リード・デトマース(左投げ)
- グリフィン・キャニング(右投げ)
ノア・シンダーガード(29歳、198cm、右投げ)(背番号34)
トミー・ジョンからの復活を期す球界屈指の豪腕投手!
2021年の成績
試合数 | 勝利 | 敗戦 | イニング | 防御率 | 三振 | 四球 | WHIP |
2 | 0 | 0 | 2.0 | 9.00 | 2 | 0 | 1.500 |
2021年オフにメッツからFAとなり、エンゼルスと1年21Mで契約。シンダーガードは旧所属のメッツからのQulifing Offerを蹴っているので、エンゼルスはメッツに上位のドラフト指名権を譲渡しなくてはならない。
テキサス生まれのシンダーガードは身長198センチ、体重108kgと大谷よりさらに一回り大柄だ。メジャーデビューは2015年。最高球速102マイル(164km)を誇り、通算の与四球率(BB9)も2.1とコントロールも非常にいい。
ちなみに2021年のエンゼルスでBB9が彼よりもいい投手はイグレシアス(1.5)だけ。残りは全員3.0以上。4.0以上のノーコンが4人もいた(グリフィン、シーシェク、キンタナ、ゲラ)。まさにシンダーガードは球界でも屈指の先発投手だ。
BB9(Bases On Balls per 9 IP)
9イニング換算で何個フォアボールを出すかの数値で投手の制球力を表す指標。メジャー平均は3.3くらい。コントロールの良い投手なら2.5以下、トップクラスの投手は2.0以下である。逆に5.0を超えるとノーコン過ぎてオチオチマウンドに送れない。
シンダーガードは隆々とした筋肉と長い金髪の風貌から、コミック/映画のスーパーヒーローである「ソー(Thor)」がニックネームだ。Thorは元々は北欧神話の雷神を意味する言葉であり、シンダーガードを雷神やカミナリに例える時もある。趣味はウエイトトレーニングだという。
シンダーガードは、現在球界最高の投手と言われるデ・グロムと並ぶメッツの2大エースで、キャリア序盤の2016年頃はシンダーガードの方がデ・グロムよりも上と見られていた。
問題はトミー・ジョン手術明けであること
しかしシンダーガードは2020年3月にトミー・ジョン手術を受け、手術後は昨年9月に2イニング投げただけだ。過去2年で2イニングしか投げていない投手に21Mとはギャンブル過ぎるという声もあるが、健康であればゲリット・コールやマックス・シャーザーに匹敵する実力の持ち主。もし投げられるのなら21Mはバーゲン価格となる。
ミナシアンはトミー・ジョンからの復活を目指すシンダーガードに対してエンゼルスの採用する6人ローテーションの優位性とロサンゼルスの気候の良さを説き、たまたまGMの交代人事のためにゴタゴタしていたメッツからのフォローアップもなく、シンダーガードはエンゼルス行きを決めた。エンゼルスを選んだ理由の一つは元々ミナシアンがブルージェイズのスカウト時代にシンダーガードを見いだし、球団内を説得して1巡目指名したというのも大きかっただろう。もちろんシンダーガードとしては来期復活を印象づけるような活躍をしてその後の大型複数年契約に結びつけたいはずだ。
1年契約というのはエンゼルスにとってリスクを避けたように見えるが、一方で順調に復活した場合FAで退団されてしまうという逆のリスクもある。もしそうなればリハビリの場を提供しただけで終わったという結果も考えられる。今年エンゼルスがまたしても夏前に脱落したら、シンダーガードはトレードチップになってしまう可能性もある。
バッティングも非凡だが、DHには大谷がいるし・・・
右投げ左打ちのシンダーガードは球界屈指のバッティングのいい投手としても知られている。逆方向の左中間へホームランを叩き込み、投げては完封で1対0で勝利したこともあった。マエケンと投げ合ってマエケンから2ホーマーを打った試合もあった。しかし今年からナ・リーグもDHになったし、大谷がリアル二刀流で出場した場合、投手として降板後もDHとして試合に出られるようにルール改正が行われたので、シンダーガードが打席に立つ機会はほとんどゼロだろう。
ピークを過ぎたベテランに10Mずつ払うよりはよっぽどいい
思えばここ数年のエンゼルスはお茶を濁すようにノラスコ、チャベス、ハーヴィー、ケーヒル、アレン、テヘラン、キンタナらのベテラン投手と1年10M程度で契約してきた。しかしシンダーガードは明らかに彼らとはレベルが違う。私がGMでも引退前の連中に10Mずつ払うよりもシンダーガードに21M払う。仮にシンダーガードの回復が遅れ全く投げられなかったとしても、ダメモトのベテラン先発を投げさせ続けて黒星が積み重なっていくのを見ているよりはよっぽど精神的にはいい。2年目以降の球団のオプション付き契約であればもっとよかったのだが・・・。復活した場合にFAになるシンダーガードと再契約するにはエンゼルスの懐事情は厳しすぎる。
パトリック・サンドバル(25歳、左投げ、190cm)(背番号43)
エンゼルス左のエースに成長!二ケタ勝利の期待がかかる!
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2021年の成績
試合数 | 勝利 | 敗戦 | イニング | 防御率 | 三振 | 四球 | WHIP |
17 | 3 | 6 | 87.0 | 3.62 | 94 | 36 | 1.207 |
2022年はメジャー最低保証年俸(70万ドル)。
2018年7月にエンゼルスでは大谷とバッテリーを組んだマーチン・マルドナード捕手とのトレードでアストロズから加入した。その後2019年に初めてメジャーに上がった。長身からの最高速球96マイルの速球が武器だが、コントロールに課題があった。
2021年は5月にベンチ入りすると、5月中旬には先発の一角を任され堂々たるピッチングを展開した。8月に故障して戦列を離れ勝ち星には恵まれなかったものの、先発した14試合では防御率3.29とエンゼルスでは大谷に次ぐ安定感を見せた。今年は大きな飛躍が期待される。
マイケル・ローレンゼン(30歳、190cm、右投げ)(背番号25)
レッズで二刀流のブルペン投手だったが、エンゼルスでは先発専任へ
2021年の成績
試合数 | 勝利 | 敗戦 | イニング | 防御率 | 三振 | 四球 | WHIP |
27 | 6 | 3 | 29.0 | 5.59 | 21 | 14 | 1.379 |
レッズからFAになり、エンゼルスと1年675万ドルで契約。地元アナハイムの出身。
高校時代からエリートで2010年にはレイズに7巡目で指名されるも大学進学。その後2013年にレッズから1巡目(全体38位)で指名されプロ入り。メジャーデビューは2015年。レッズでは295試合に登板しているが、そのうち先発したのは26試合だけで(しかもうち21試合はデビューした2015年に記録したもの)ほとんどが救援での登板だった。それが本人の希望でエンゼルスでは先発に再転向する。しかし本当に先発として通用するのかは全くの未知数だ。
昨年はやや故障がちで29イニングの投球で防御率5.89はキャリア最悪に近い成績。このレベルの投手に675万ドルは高いなというのが実感。しかし2016年~2019年は防御率3.39の数字を残している。パワーピッチャーの不足するエンゼルスで最速99マイルのフォーシームを投げられるのは魅力。
またレッズでは二刀流と言うことが注目を浴びているが、実際はバッターとしてはメジャー昇格後7年でわずか147打席しか打っていない(ちなみにシャーザーやカーショウは同期間で400打席近く打っている)。それでOPS .710と言う数字はなかなかのものだが、エンゼルスではDHに大谷がいるので代打くらいしか使いようがない。今年は投手に専念することになるだろう。
ホセ・スアレス(24歳、178cm、左投げ)(背番号54)
昨年前半にブレークし、後半は先発として定着
2021年の成績
試合数 | 勝利 | 敗戦 | イニング | 防御率 | 三振 | 四球 | WHIP |
23 | 8 | 8 | 98.1 | 3.75 | 85 | 36 | 1.231 |
2022年はメジャー最低保証年俸(70万ドル)。
ベネズエラ出身。デビューした2019年、2020年と投げるたびに炎上していた。しかし2021年は5月にメジャー昇格するとそこから2ヶ月、11試合に登板し35.1イニングで防御率2.29と安定した成績を収め、後半は先発に定着した。
まだ24歳なのに身長178センチで、体重102キロというずんぐりむっくりした体格。とても節制しているようには見えないのに先発として通用するだろうか?エンゼルスの不安要素の一つだ。
リード・デトマース(22歳、188cm、左投げ)(背番号51)
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期待の左のホープ!将来はカーショウのようなタイプになるかも
2021年の成績
試合数 | 勝利 | 敗戦 | イニング | 防御率 | 三振 | 四球 | WHIP |
5 | 1 | 3 | 20.2 | 7.40 | 19 | 11 | 1.790 |
2022年はメジャー最低保証年俸(70万ドル)。
高校3年時にアトランタ・ブレーブスから32巡目(全体950位)で指名を受けたが契約せずルイビル大学へ進学した。大学2年時の2019年シーズンには13勝をあげ、ルイビル大のシーズン最多勝記録に並び全米大学選抜にも選ばれた。そして2020年のドラフトでエンゼルスから1巡目指名を受け、467万ドルで契約した。それからわずか1年後、2021年7月末にエンゼルスはヒーニーをトレードで放出したため先発陣が手薄となりデトマースをメジャーに昇格させて先発で起用した。8月15日には初勝利をあげている。
ストレートの球速は94マイル(151キロ)前後だが、カーブ、チェンジアップ、スライダーといった変化球のキレとコントロールが良く、高い奪三振率を誇る。特にカーブの評価が高く、順調に成長すればドジャースのカーショウのようなタイプとして大成する可能性もある。
グリフィン・キャニング(25歳、188cm、右投げ)(背番号47)
故障に苦しむ若手右腕。2022年も開幕間に合わず。
2021年の成績
試合数 | 勝利 | 敗戦 | イニング | 防御率 | 三振 | 四球 | WHIP |
14 | 5 | 4 | 62.2 | 5.60 | 62 | 28 | 1.484 |
2022年はメジャー最低保障年俸(70万ドル)。
エンゼルスのお膝元、オレンジカウンティのミッション・ビエホ市出身。2015年ドラフトではコロラド・ロッキーズから38順目指名を受けたが、入団せずUCLAへ進学。その後2017年にはエンゼルスから2巡目(全体47位)で指名され入団した。
先発投手不足の台所事情もあって、入団から2年もたたない2019年4月にはメジャーデビューした。しかし8月下旬に右肘痛を発症してそのままシーズン終了となった。2020年当初はやや不安定だったが、最後の5試合は防御率3.14をマークし尻上がりに調子を上げて締めくくった。2021年は開幕ベンチを勝ち取ったが、7月上旬に背中痛でリタイア。
期待された2022年も腰痛が思うように回復せずいきなり60日間の故障者リスト入りでスタートすることになった。何とか夏くらいには復活して欲しい。