メジャーの新ルール(2020年版)

時代に合わせ毎年ルールを変えていくメジャーリーグ。2020年は大きなルール改正があったので紹介したい。特に大谷選手の出現で二刀流ルールができたのは興味深い。

1. 野手/投手/二刀流の登録制度

全てのベンチ入りする選手は「野手(Position Player)」「投手(Pitcher)」「二刀流(Two-Way Player)」のいずれかに登録される必要がある。登録はレギュラー・シーズンだけでなくポストシーズンまで有効で、一度登録されるとシーズン中の変更は不可。「二刀流」として登録されるには条件がある(後述)。

ベンチ入りできる人数は1人増え、26人(ダブルヘッダー時は27人)。9月以降はこれまでの40人から28人へと大きく減少し、いわゆるセプテンバーコールアップの制度が廃止された。

投手として登録できる人数は13人まで(9月以降は14人)
ほとんどのチームは投手13人、野手13人という構成になると思われるが、エンゼルスだけは投手13人、野手12人、二刀流1人(大谷)となるはずだ。今年メジャー全体で二刀流として登録できる条件をクリアしているのは大谷だけ。つまりエンゼルスだけが実質1人多く投手を登録できる。これが大谷のおかげでエンゼルスが他チームよりも有利と言われる理由だ。

野手の登板に制限
野手として登録された選手が試合で投球できるのは延長戦や6点以上差が開いた時のみという制限ができた。その制限を解除されるには上記の二刀流選手として登録される必要がある。一方、投手で登録された選手が野手として出場することの制限はない。

二刀流として登録されるための条件
前年に、投手として20イニング以上投球し、かつ野手もしくはDHとして20試合以上出場(各試合で3打席以上立たないと出場と見なされない)という実績が必要。大谷は2019年はトミー・ジョン手術からのリハビリのため20イニングは登板していないが、特例として2018年の実績が認められた。

来年以降二刀流登録を目指す選手は
(1)投手登録で20イニング以上を投げながら、DHか野手で20試合出場の実績を積む
(2)野手登録で20試合以上出ながら、点差の開いた試合や延長戦で少しずつ投げて20イニング投球を目指す
のどちらかを選ぶことになる。この条件をクリアすれば翌年から二刀流登録できる。

2. 3バッターミニマム

先発もリリーフも少なくとも3人のバッターと対戦するか、もしくはそのイニングを終了させるまで投げなければならない。ケガなど肉体的に投球ができなくなった場合は除く。いわゆる左キラーとかLoogy (Left-handed One Out Guy) と呼ばれる左のワンポイントリリーフ投手は排除されることになった。

3. 投手の故障者リスト入り日数の変更

投手がInjury List(故障者リスト)に入った場合、最低15日間たたないと再度ベンチ登録できない(これまでは10日間)(野手の10日間は変更なし)。

4. チャレンジ時間の短縮

判定に疑義があった場合、監督はリプレー・チャレンジするかどうかを20秒以内に決めなければならない。2019年までは30秒だった。

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