車で移動するのが前提のエンゼルスタジアム
ロサンゼルスでは、電車やバスなどの公共交通機関が発達しておらず、車で移動することが前提となる。その分高速道路(フリーウェイ)が網の目のように張り巡らされており、フリーウェイを使いこなせば効率的に移動できる。しかし一方で朝夕の移動は渋滞との戦いになる。日本の高速道路のように渋滞情報があちこちに表示されているわけでもない。スマホの地図で渋滞情報を拾って渋滞を避けたいものだが、渋滞回避には渋滞するポイントと時間帯を経験上押さえることが第一である。
おおざっぱに言って、朝は7~9時、午後は2~6時が渋滞の激しい時間帯だ。午後は意外と早い時間に渋滞が始まることに注意して欲しい。午後7時を過ぎると急速に渋滞は収束する。
ちなみに。アメリカではWazeというアプリを使っている人が多い。スマホ標準のマップよりも渋滞状況が正確なので人気がある。
(1)渋滞回避のアクセスルート
平日の場合、午後6時半過ぎ開始のナイトゲームが多く開催されるが、平日の夕方というのはLA/OCでは通勤ラッシュの時間帯であり、フリーウェイは激しく渋滞する。渋滞にハマってしまい、せっかく遠くから見に来たのに、試合開始に間に合わないということがないようにしたいものだ。
下のマップの赤い矢印は平日夕方のスタジアム付近の高速の渋滞予想である。ダウンタウン方面から来るにせよ(5番南行き)、トーランス方面から来るにせよ(22番東行き)、球場の近くでは渋滞が予想されるので、十分時間的余裕を持って出発してほしい。
逆に週末は球場近辺で渋滞が問題となることはほとんどないので、平日ほど気をつかわなくても大丈夫である。
(2)管理人のウラ技
管理人の場合、John Wayne Airport付近から球場に向かうことが多いのだが、まともなルートだと球場までずっと渋滞してしまう可能性大だ。そこで抜け道として、フリーウェイ55番から22番まで走り、22番(西行き)から5番(北行き)もしくは57番(北行き)に乗り換えるというルートを取る(上の地図の青線)。
22番から5番(北行き)に乗り換えれば、State College Blvd.で降りることになり、57番に乗り換えた場合は最初のOrangwoodか次のKatellaで降りる(上の地図の緑線)。1台に2人以上乗っている場合はカープールレーンが使えるので有効に利用して欲しい。
平日の午後5~6時頃なら55番フリーウェイ北行きの405番~5番の間(約3マイル)は激しく渋滞して15~20分くらいかかる。その後22番に乗るまでの3マイルは5分、そこから球場までの3マイルは5分ほど。トータル約30分で到着できる。ちなみに帰りは15分かからない。
(3)どこに車を止めるか(General Parking戦略)
クレジットカードかApple/Android Payしか使えないので注意!
2021年からコロナ対策の一環でエンゼルスタジアムの駐車場では現金が使えなくなり、クレジットカードかApple/Android Payのみ利用可能。一方、周辺の民間駐車場は逆にカードは使えず、現金のみになっている。もし現金しか支払い手段がない場合は民間駐車場に停めることになるだろう(後述)。
下の地図を見ていただければわかるとおり、エンゼルスタジアムの周りは広大な駐車場になっていて、どんなに混雑してもまず間違いなく全ての車を収容できる。しかし最近の大谷人気で、特に大谷のボブルヘッドなどが配られる日は周辺のフリーウェイの出口から渋滞する時がある。フリーウェイの出口から駐車場の料金所まで20分以上かかったこともあった。
スタジアムの駐車場へ車が入ってくるゲートは3カ所ある(地図のピンク色の長方形のところ)。球場に最も近いエリアは年間予約者の優先スペースで、その外側がPrefferred Parkingと呼ばれる30ドル払った人が停めるエリア。一般車両(General Parking)はその外側に止めることになる。
General Parkingは1台あたり20ドル。2022年までは10ドルだったのでいきなり倍増してしまった。ゲートで駐車料金を払うと駐車券をくれる。車を止めたら車内のダッシュボード上など駐車券が外から見える位置に置いておく。
ゲートを入ったあとでは駐車場内を自由に移動できるわけではないので、(例えば、下記マップでオレンジ色の線から入った後、濃緑色のエリアへはブロックで仕切られているので簡単には移動できない)、あらかじめどのゲートから入るかを検討してほしい。
停めた場所をしっかり記憶(記録)のこと
それから駐車場はとても広大なので自分がどこに停めたかをよく記憶しておくこと。特にレンタカーの場合、どんな車だったかもうろ覚えだと本当にどこにあるのかがわからなくなる。夜の試合はなおさらだ。スマホで縦横方向の写真を撮っておくといいだろう。
1. 王道ルート
上記マップの青い線で入るのが王道ルートである。エンゼルスタジアムのシンボル、赤いビッグハットが正面に見えて気分も盛り上がる。チームストアも正面入り口のすぐ裏にあるので、帰りに買い物をする時にも便利。
後述のLexus Lotに停める時はこのルートから入る必要がある。
また退出する時は5番南行きのカープールを避けるため、私はいつも上記の黄緑色のルートを使う(下記、「Gene Autry Wayから5番南行きに注意」を参照)
2. 楽々ルート
濃緑色のルート。フリーウェイ57番をKatella Aveで降りて、時計回りに曲がって入る。エンゼルスホームの3塁側スタンドで観戦する場合はここから入って、ゲートの一番右側のレーンから入ること。そうしないと係員に左に曲がるように誘導されセンターから1塁側に停めるしかなくない。
また現在は使われていないレフトのエントランスのすぐ隣には選手専用駐車場の出口がある。もし出待ちをするのならこのルートで入った方がいいだろう。
3. 緊急回避ルート
(2)から入ろうとして、Honda Centerでのイベントと重なった時など、Katellaの出口の遙か手前から渋滞している時がある。そんな時は一つ手前のOrangewood Aveから降りて、このルートで入った方が良い。座席がライト&1塁側スタンドの場合はここから入った方が便利。
また試合がない日にチケットオフィスにチケットを買いに来たり、チームストアで買い物をする時はOrangewoodの入り口しか開いていないの注意。
4. Lexus Lot
エンゼルスはトヨタ系列のLexusと強力なスポンサー契約をしているため、Lexusに乗って来ると10ドルで球場の正面入口の一番いい場所(地図上の赤いエリア)に停めることが出来る。もしLexusで来場することがあれば試してみてほしい。早い者勝ちの限定100台である。
Lexus Lotに停めるには王道ルートから入る必要がある。料金所で20ドル払い、”Lexus Lot Please”といえば、専用の駐車券をくれるので、そのままLexus Lotまで車を進めよう。
5. 球場外の格安駐車場
最後にスタジアム外だが、料金が格安の駐車場を紹介しよう。スタジアム内の駐車料金10ドルを嫌って、ちょっと遠いが安いパーキングに停めるアメリカ人は結構多い。
場所はスタジアムの北側になる。行き方はフリーウェイ57番をKatella Ave.で降りて、西へ向かう。そして最初の交差点、E. Howell Ave.沿いに何カ所か民間駐車場がある。
料金的にお得なのはKatellaの北側の駐車場だ。
(B)は5ドルなので私もよく利用する。Shellのガソリンスタンドの向かいにあり、「$5」という看板も出ているのでわかるだろう。入り口に係員がいるので「現金」で払って(クレジットカード等は不可)その先の空いている所に停めればいい。駐車券をくれるので外から見えるようにダッシュボードに置いておくこと。またここの駐車券を4枚集めると1回無料で駐車させてくれる。
駐車場からスタジアムまでは地図の茶色の線の通りに歩いて行く。オフィスビルの敷地から線路の下をくぐるとエンゼルスタジアムの駐車場に出る。スタジアムが見えているので迷うことはない。距離にして300m、歩いて2-3分ほどだが軽い運動だと思えばちょうどいい。帰りは同じ道を歩いている人が結構いるのでナイトゲームでもそれほど危険ではないだろう。もちろんアメリカなのでどんな時でも用心は忘れずに。
高層ビルの真下の駐車場(A)は帰宅時の渋滞は避けられるが、料金は10ドルなので価格的にはメリットが小さい。行き方はKatellaからHowellを球場の方に曲がるとレーンが二つあるが、下の写真のように○印の右レーンを進み、その先の四角で囲った平地エリアに停めよう。ここで左手のX印のレーンを選ぶとビル奥の立体駐車場に行かされてしまうので注意。
ちなみにいつもオープンしているわけではないが、混雑が予想されるゲームではさらに安い3ドルの(C)もある。開いていれば係員がいて3ドルのサインを掲げているのでわかるだろう。
退出時のスムーズさも利点
管理人がこのHowell沿いの駐車場をおすすめする理由の一つは退出時のスムーズさだ。後述するようにエンゼルスタジアムの駐車場に停めると出る時も大混雑。ところがここの駐車場からは車に乗ってKatellaを曲がれば目の前がフリーウェイ57号のインターチェンジ。あっという間にフリーウェイに乗ることが出来る。少々球場から歩いてもよっぽどこっちの方が早く帰路につける。
ここ以外にも場外の臨時の民間駐車場はいくつかあるので探してみるといいだろう。
(4)退出時の混雑を予想する
試合が終わると一斉に観客が帰るので、駐車場からいかにスムーズに出るかは入るときよりも深刻な問題になる時がある。試合展開にもよるが、退出時の渋滞を避けるために7回くらいに帰る人もかなりいる。一方で試合がもつれて終盤までエキサイティングな展開になればなるほど、試合終了時に一斉に退出が集中し、ゲート付近はレーンも入り乱れて大混雑する。最悪の場合車に乗り込んでからゲートを出るまで20分以上かかるときもある。
駐車場に入る時はなるべく球場に近い位置に車を停めたくなるのは人情だが、それよりも帰る時にスムーズに退出できる場所に停めることを考えた方がいい。パーキングスペースと退出路の間はブロックで仕切られており、退出路への出口は限られている。そこに多くの車が殺到するので、なるべく退出路への出口付近に止めるのが理想だ。特に王道ルートから入ると、駐車場には係員がいて、入場してきた車は「ここへ停めろ」と誘導される。そこへ一度停めた後、周りを見渡して退出に便利な場所に移動させればいい。
また帰りに車に乗りこんだらバックしないで済む向きに停めることもセオリーだ。ちなみにアメリカでは日本と違いバックから駐車することは殆どなく頭から突っ込んで駐車する。
なお試合終了時には球場の周りの道路は警官が来てスムーズに退出できるように交通規制や交通整理が行われる。大きな道が一方通行になり赤信号にかかわらず、警官が退出の車が通る時間を長くしてくれる。
Gene Autry Wayからの5番南行きに注意
王道ルートからの退出時、出口の信号を直進すると、フリーウェイ5番の南行きはカープール・レーン(2人以上の乗客が乗っていれば走ることができるレーン)専用の入り口しかない。そこから乗るとその先のカープール・レーンは一般レーンとブロックで完全に仕切られており、フリーウェイの57番/22番を過ぎるまで(距離にして3マイルくらい)一般レーンに出られなくなる。
カープールは一般レーンよりも流れているのが普通だが、困ったことに試合後の5番南行きのカープールに関しては、Gene Autry Wayからの多くの車がこのレーンを使うことと、途中で一般レーンに戻れないという理由で、一般レーンは流れているのにカープールが渋滞しているということがよくある。
なので私は5番(南行き)に乗る時はGene Autry Wayではなく、State College Blvd.から(地図の黄緑色線)から乗ってカープールを使わないようにしている。
(5)UberやLiftを使いこなす
アメリカでレンタカー等を利用しない場合はUberやLiftなどRideshareサービスが強力な助っ人になる。LA/OCには流しのタクシーはいないため、タクシーは電話等で呼び寄せる必要があるが、現在では多くの人がタクシーではなくUberやLiftを使う。目的地も事前に携帯アプリから指定できるし、チップも不要で料金も明確だ。支払いも事前登録したクレジットカードから引き落とされることになるので面倒がない。極論すれば英語など一言も話せなくても利用できる。
球場に行く場合は、上の地図のWest Orangewood Avenue沿いのBus&VIP入り口から入ってもらうこと。一方、帰りは車を手配したら、球場敷地の北西角にある専用乗り場で待つことになる。Rideshare のサインを目指せばいい。運転手から何番の乗り場で待っているかテキストメッセージが送られてくるはずだ。