エンゼルス用語集 (2022年版)

野球関連用語

  • アクティブ・ロースター
    ベンチ入りできる25人のこと。レギュラーや控え選手でその枠はあらかた埋まっている。また契約上アクティブ・ロースターから落とせない選手もいるので、いくらマイナーで実績を残そうとその中に割って入るのは容易ではない。
  • 40人ロースター
    アクティブ・ロースターに入るためには、まず40人ロースターと呼ばれるメジャー契約を結ぶ選手枠に入る必要がある。マイナー契約からこの40人ロースターへ入り、さらにアクティブ・ロースターに選ばれることで初めてメジャーの試合に出場できる。
    40人ロースターに入ったのに、アクティブ・ロースターに入れなかった場合、マイナーで出場を続けながら誰かメジャーでケガ、トレード、解雇で空きが生じたり、不調等でマイナーに落とされる選手が出て選手の入れ替わりが起きるのを待つことになる。
  • セプテンバー・コールアップ(2020年シーズンから縮小)
    (2019年まで)通常はベンチに入れる選手数(アクティブ・ロースター)は25人だが、9月1日からは40人に枠が拡大され、多くの若手選手がメジャーに上がってくる。このセプテンバー・コールアップの枠は多くの場合、来季以降に向け、若手のプロスペクト(有望株)を試すために使われる。特に下位球団にとっては今季の勝敗はほとんど捨てているので、単なる消化試合でなく新戦力を試す絶好の機会となる。
    (2020年以降)
    現在はアクティブ・ロースターは基本的に26人で、9月1日以降は28人となる。わずか2人増えるだけなので、セプテンバーコールアップは事実上廃止。
  • DFA (Designated For Assignment
    選手を40人枠から外す措置。契約上25人枠から40人枠へ落とせない(ベンチから外せない)選手を外す時は、DFAして一気に40人枠の外へ出すことになる。
    だがDFAは必ずしもチームとしての戦力外を意味しない。
    他チームが獲得しないのであれば、マイナー選手として残って再び翌年以降にメジャー昇格を目指して欲しいという球団の意向があるケースが多い。DFAされた選手は以下の4つの道のどれかを歩むことになる。
    (1)他チームへのトレード
    (2)ウェーバー公示(ほとんどの場合はこれ。原則非公開で当該選手へ公示を知らせる必要もない。どこのチームからも獲得要請がなかった場合、「ウェーバーをクリアした」と言う)
    (3)チームからの解雇
    (4)マイナー行き

(1)「トレード」は、DFA発表後に他チームから獲得の打診があった場合、両チーム間で合意に達すれば、そのままトレード移籍となる。トレードなので見返りが期待出来る。

(2)「ウェーバー公示」とは「選手の支配権を放棄」である。期間は2日間でその間に他チームが獲得を申し入れた場合、自動的にそのチームへの移籍が決まる。この場合は相手チームからの見返りは原則ない。

2日間以内にどこからも声がかからなかったらチームと話し合って
(3)「解雇」は自由契約選手としてチームを去る。
(4)「マイナー行き」はマイナー選手としてチームと契約を結び直し、翌年以降に再び40人枠に登録されるチャンスをマイナーで待つ。

DFAされた選手がたどる道で最も多いのが(4)「マイナー行き」である。
(3)「解雇」は、選手側からそれを要求するケースがほとんど。というのもチームが本当に解雇したい選手の場合は、DFAすることなく直接解雇処分をすればいいわけで、それをせずにDFAにするのは、ウェーバークリア後に何とか残留させたいというチームの意向があるからだ。選手としては「マイナーに落ちるくらいなら、退団して自分で移籍先を探す」という自信がある選手がチームに解雇を要求する。

  • マイナー・オプション
    球団が自由に選手をマイナーに落とせる権利である。全ての選手はメジャーの40人枠に初めて登録された時から3年間は、球団が自由にその選手をマイナーに落としたりメジャーに引き上げたりできる。逆に言えばメジャーとマイナーを行ったり来たりで3年間過ごした選手はマイナーオプションがなくなり、それ以降球団は勝手にマイナーに落とすことができなくなる。
    またマイナーオプションを一度も行使されずに25人枠で5年間過ごすと40人枠に入ったままマイナーに降格させることが禁止されている(トラウトのような選手)。そういう選手をマイナーに落とすには一度、DFAしてウェイバー公示にかけ、「もし獲得を希望する球団があれば獲得して良いですよ」という手続きを経なくてはならない。2日間公示にかけてどこも獲得希望球団が現れなければ、初めてマイナーに落とせる。つまり球団は選手の保有権を失うリスクを取らないといけないわけだ。またオプションが残っている選手でも、一度マイナーに落とすとそこから10日間は再昇格させることはできない。2018年エンゼルスのバリア投手の場合、先発させてはマイナーに落とし、10日経過するとまたメジャーに上げて先発させるということを繰り返したが、なぜこのような面倒なことをするかと言うと、バリアは先発が足りないときの補助要員的な立場のため、ローテーションの谷間に先発させることが多い。どうせたまにしか先発のチャンスが回ってこないのなら、その間はマイナーに落としてロースターを空け、代わりに不足気味のブルペン投手や控え野手を登録するのだ。
    バリアがメジャーに上がるときはある選手(A)を降格させ、バリアをマイナーに戻す時はまた別の選手(B)をメジャーに上げる。バリア、(A)、(B)の3人ともオプションが残っていることが条件になるが、25人という限られた枠で選手を効率的にやり繰りするために考え出された方法である。もちろんバリアが今後も好投を続け、ローテーション投手として欠かせない存在になれば、たとえオプションが残っていても、もうマイナーに落とされることはなくなるだろう。
  • Injured List(IL)
    「故障者リスト」のこと。2018年までは Disabled List(DL)と呼んでいたが、Disabledには「身体障害者」の意味もあり、誤解を避けるために変更された。
    10日間(2020年から投手は15日間に変更)と60日間の2種類あり、「10日間」は該当選手を25人のアクティブ・ロースターに、「60日間」は40人ロースターに残したまま代わりの選手をマイナーリーグなどから補充することができる。故障者リストに登録された選手は、当該期間が経過するまでは復帰できない。
    オプションを持たないメジャーの選手をマイナーに落とすには必ずウェイバー公示をパスしなければならないので、他球団に取られたくない選手が調子が悪い場合に、故障はなくとも単に休養、調整の意味で故障者リストに入れることもよくある。
  • 年俸調停(Arbitration)
    球団側と選手側で希望額を出し合い、公聴会でどちらの希望額を採用するか決定する。折衷案はない。計算上のメジャー在籍期間(MLS Time = Major League Service Time)が3年間に達した選手は年俸調停権を取得できる。逆に言えば3年未満の選手は球団側の言い値で契約せざるを得ない。年俸調停は大幅に年俸を下げることはできないため、基本的に年俸が下がることはなく、ほとんどの場合上昇する。ただし年俸調停自体は毎年2月にならないと行われないため、スプリング・トレーニングへの影響も考え、調停の申請はしたものの、結局は球団と選手が歩み寄って実際には調停まで至らないことが多い。2020年2月にはブライアン・グッドウィンとの契約が調停にまでもつれた。この時はグッドウィン側が勝ち、220万ドルの年俸をゲットした。レギュラークラスの選手は年俸調停権を得てからFAになるまでの間に大きく年俸が上がっていく。特に有力選手の場合、FAでの流出を避けるために球団側も大幅に譲歩して高額な長期契約を結ぶことも多い。まだFAにもなっていなかったマイク・トラウトがメジャー最高年俸を得たのはその例。

    逆に言えば、選手の年俸調停権の獲得を引き伸ばせれば、球団はより長期間、最低年俸で契約を結ぶことが可能になる。例えばあきらかにレギュラークラスの実力がある新人をいつメジャーに上げるかを決定する場合に、MLS Timeを逆算してあと1ヶ月メジャー登録を遅らせれば、年俸調停権の取得が1年遅れるというケースがある。そういう場合に故意にメジャー登録を遅らせるという事も行われるが、もしチームの調子の状態が良くない時にそういうことをすればファンから批判を浴びることになる。

  • ノンテンダー(Non-tender)
    チームが保有権を持ち、メジャー登録枠(ロースター)の40名に入っている選手で、メジャー在籍3年以上、6年未満の選手(つまり年俸調停権を持つ選手)に対して、来季の契約の更新を行わないこと。毎年、12月に行われるウインターミーティングの1週間ほど前の日がノンテンダー期限となり球団はその日までに選手に通告しなくてはならない。契約を更新する選手(テンダー)はそのまま40人枠に残して来季年俸を提示し、契約しないとされた選手(ノンテンダー)はFAとなり、来季の所属先を自由に探すことができる。メジャー在籍6年を超えると自動的にFA選手となるのでノンテンダーFAはそれと区別して使われる。20代の若い選手であればともかく、30歳を超えてくると成績の伸び代が見えてくる。そうなると例えメジャー枠に入っていたとしても、中途半端な成績しか上げられなければノンテンダーになるリスクが高まる。球団としては年俸調停権を行使されると年俸が上がりそうな割にあまり活躍が期待できないとなれば、ノンテンダーにしてロースター枠を空け、ペイロール(総年俸)を抑えようとする。混同されがちだが、DFAは単に40人枠から外すための措置で、引き取り手が現れなければそのままチームに残れる(ただしマイナー契約を甘受する必要がある)のに対して、ノンテンダーは完全に契約しない点が異なる。ただしFAになるので所属チームとも再交渉することはできる。シーズン中に選手を戦力外にする場合はノンテンダーではなく、Release(解雇)と呼ぶ。
  • タンク、タンキング(Tank、Tanking)
    元々はボクシングで八百長を指す言葉だった。現在では八百長とまでは行かないがベストメンバーで試合に臨まないなど勝利を積極的に目指さないことを指す。その理由はドラフトだ。メジャーではドラフト指名権は成績下位順に与えられるので、優勝が絶望的になると、中途半端に勝ちに行くよりも、大きく負け越して上位のドラフト指名権を得ようと考えるチームが出てくる。特にチームが再建期に突入している場合そうなりがち。そういう場合レギュラー陣を先発から外して、経験を積ませることを優先して実績のない若手の起用に偏ったりする。また実績のあるチームの主力選手を他チームの年俸の低い複数の若い選手らとトレードする等、過度に若返りを図る態度もタンキングに含まれることがある。2017年オフの例だと、フロリダ・マーリンズがナ・リーグ本塁打王の主砲ジャン・カルロ・スタントンをヤンキースに放出したのが典型。もっとも、上位ドラフト指名権確保以外に、チームの年俸総額を抑えることで、翌年以降に有力FA選手を取るための年俸枠を確保する狙いがあることもある。
  • インターナショナル・ボーナス・プール
    25歳以下のアマチュア外国人選手と契約する際の契約金の上限。ここでいうアマチュアにはアメリカ以外の国のプロリーグの選手も含まれる。各球団はこういった外国人選手との契約金の総額をこの金額内に抑えなければならない。2016年以降は最大で年間575万ドルまでとなっている。枠が余っていれば、トレード等により他球団に譲渡することもできる。ブレーブスのように枠内で獲得したように報告していながら、実は裏で選手に金額を支払ってペナルティを受けたケースもある。
    大谷選手もこの25歳以下アマチュア外国人として扱われることになっていたが、エンゼルスは大谷契約前の時点でわずか10万ドルしかこの枠が残っていなかった。そのためオリオールズから不良債権に近かったジム・ジョンソン投手を引き取ることと引き換えに、ボーナスプール121万ドルを譲渡され、大谷獲得に備えた。
  • WAR(ダブリュ・エー・アール、Wins Above Replacement)
    打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価して選手の貢献度を表す数値。概念としては「そのポジションの代替可能選手(Replacement)に比べてどれだけ勝利数を上積みしたか」を表している。代替可能選手とは難しい言葉だが、ぶっちゃけ「並以下」のふるわない選手のことで、そういう選手を起用したのと比べて何勝くらい勝利数に貢献したかを表す。計算方法は非常に複雑だが、オールスタークラスだと5.0くらい、平均的な野手や先発投手が2.0くらい、平均的なリリーフ投手だと0.3くらいと言われている。一方WARがゼロやマイナスになると、どこにでも転がってそうな選手と取っ替えても戦力がアップする、つまり事実上起用する価値のない選手ということになる。WARの利点の一つは投手、野手などのポジションによらず選手としての力量を比較できることがある。例えば投手と野手のトレードが起こってもWARで比較すれば得か損かが分かりやすい。2012年にミゲル・カブレラが三冠王を達成したが、WARでは守備走塁面でも評価の高い新人のマイク・トラウトが上回ったために(トラウトは10を超えていたのに対して、カブレラは7前後しかなかった)、アメリカンリーグのMVPにどちらがふさわしいかで論争が発生した。しかし「三冠王」という印象がものを言い、MVP投票ではカブレラが選ばれた。もしこの時トラウトがMVPだったらもう4度のMVPを取っていたところだった。
  • 長打率(Slugging Percentage / SLG)
    塁打数を打数で割ったものだが、打率や出塁率よりもややイメージしにくい。
    塁打数はシングルヒットが1、ツーベースが2、スリーベースが3、本塁打が4で計算する。仮に4打数1安打でそれがシングルヒットなら、1÷4=0.25が長打率となる。もし4打席連続ホームランを打った場合は塁打数は16なので、16÷4=4が長打率となる。つまり長打率の最高値は4(全打席でホームラン)である。
    イメージとしては1塁までを1歩、本塁までを4歩として、1打席あたり平均して何歩すすめる選手かを表すと思えば良い。2022年はヤンキースのアーロン・ジャッジがメジャーダントツの0.689を叩き出している。1打席あたり0.689歩進むのだから4歩に到達するのに5.8打席しかかからない。一方大谷選手はメジャー9位の0.524となっており、4歩到達するのに7.6打席必要。一方で長打力のないフレッチャーは0.340しかなく、4歩には11.7打席必要だ。エンゼルスの下位打者は長打率が0.35以下の選手が並ぶので(スタッシ 0.307、ダフィー0.314、ベラスケス 0.304など)、下位打線の底上げは大きな課題だ。
  • OPS(オプス、オーピーエス、On-base plus slugging)
    打者を評価する指標の1つ。出塁率+長打率で計算される。2000年以降打率よりも得点との相関関係が高いことがわかり、現在はメジャーの公式記録にもなっている。打率ではシングルヒットもホームランも1安打で同じ価値と計算されるのに対して、OPSはバッターの長打力、四球を選ぶ能力も勘案されているので打者を評価をするのにより優れているとわかる。エンゼルスタジアムの電光掲示板にもOPSが打率や本塁打数とともに表示される。OPSによる打者評価の目安とエンゼルスの選手がだいたいどのくらいにいるかを示すOPS  1.00 以上:MVPクラス(トラウト)
    OPS  0.90 以上:超一流打者(大谷)
    OPS  0.80 以上:一流打者(ウォード)
    OPS  0.70 以上:平均的な打者(レンヒーフォ)
    OPS  0.60 以上:打力の劣る打者(アデル、ダフィ、フレッチャー)
    OPS  0.59 以下:非常に悪い打者(スタッシ、ベラスケス)

ちなみに2022年メジャーで最も高いOPSを記録しているのはヤンキースのジャッジで1.121だ。2位がアストロズのアルバレスの1.017だ。メジャー全体でも1.0を超えた選手はこの2人しかいない。

  • WHIP(Walks plus Hits per Inning Pitched)
    投手が1イニングあたり何人の走者を出したか(四球と安打)を表す数値。この数値が低いほど滅多にランナーを出さない投手ということになり安定感が高いことを示す。
    一般に先発投手であれば1.00未満なら球界を代表するエースとされ、1.20未満ならエース級、逆に1.40を上回ると問題であると言われる。2022年の大谷のWHIPは1.031でエース級の数値を叩き出している。
  • BB9(Bases On Balls per 9 IP)
    9イニング換算で何個フォアボールを出すかの数値で投手の制球力を表す指標。メジャー平均は3.3くらい。コントロールの良い投手なら2.5以下、トップクラスの投手は2.0以下である。逆に5.0を超えるとノーコン過ぎておちおちマウンドに送れない。
    ちなみに精密機械と呼ばれたグレッグ・マダックス(カブス、ブレーブス等)の生涯BB9は1.8だった。しかしその上を行ったのが上原浩治(レンジャース、レッドソックス等)で、メジャー9年間の通算BB9はわずか1.5であった。エンゼルスのコーチに来てもらえ!
  • ラリー・モンキー
    ラリー・モンキーは、2000年頃から登場し、不思議とチームが逆転勝利を収めるようになったことから、現在では球場の名物として定着している。Rallyとは元々「再結集する」「回復する」という意味だが、スポーツでは逆転したり、反撃することを意味する。Rally Moneyは直訳すると「逆転猿」「反撃猿」という意味になる。そのためラリー・モンキーはエンゼルスがリードしている局面では登場せず、負けているか同点の中盤以降にだけ登場する。
  • トミー・ジョン手術(靱帯再建手術)
    1974年にフランク・ジョーブ博士によって考案されたヒジの靱帯再建手術法。初めてこの手術を受けたドジャースの投手トミー・ジョンにちなんでこう呼ばれる。靱帯は骨や筋肉と違い、時間が経過しても自然回復することがなく、一度痛めるとずっと痛んだままである。内側側副靱帯(うちがわ・そくふく・じんたい、Ulnar Collateral Ligament、UCL、ウルナー・コラテラル・リガメント)
    上腕骨(Humerus)と尺骨(Ulna、ヒジと手首の間にある2本の骨のうち、小指側の骨)をヒジの内側で結んでいる靱帯のこと。大谷選手の場合、この靱帯に部分断裂などの損傷が見つかったと言うことだ。ここの損傷は投手の職業病と言ってよく、アメリカの新聞のスポーツ面には「UCL」という表記がしばしば出てくる。

長掌筋(ちょうしょうきん、Palmaris Longus Muscle)とはヒジから手首、手のひらに伸びる腱。下の写真の青い線。トミー・ジョン手術では多くはこの腱を切除して、ヒジに移植する。長掌筋は写真の赤丸の部分のように手首で盛り上がっているのがわかるが、実はこの筋肉がなくても手や指を動かすのに全く支障がないそうだ。それどころか生まれつきこの筋肉を持たない人が相当数いるらしい(日本人で3〜5%、白人で15〜20%)。

ちなみに大谷選手は右手の長掌筋を移植に使ったそうだ。プレーに影響の少ない左手側を使わなかった理由は右の長掌筋の方が左よりも丈夫だったからとのこと。

手術の詳細
靱帯の再建手術と言われるが、実際には損傷した靱帯は切除して、代わりに図のように上腕骨と尺骨に穴を空け、そこに自分の体から採取した長掌筋を通して新しい靱帯として動かす

手術を受けてから日常生活レベルでヒジを動かせるようになるまで7ヶ月、その後リハビリを経て手術前のレベルで投球できるようになるまでトータル18ヶ月と言われている。

トミー・ジョンは成功率が高く、ほぼ安全な手術
ここ10年間、MLBでトミー・ジョン手術を手術を受けた選手は242人に上り、アマチュアまで含めると500人以上が手術している。手術の成功率は97%と言われており、ほぼ全員が手術前のレベルでプレーできている。

球速が上がることも
一部ではトミー・ジョン手術を受けたところ、手術前よりも球速が上がったという報告もある。

打者ならばトミー・ジョンからも早く復帰できる
野手でトミー・ジョンを受けた選手は1年以内に復帰できている人が多い。2019年までエンゼルスにいたザック・コザートは利き腕ではない左ヒジのトミー・ジョン手術を受けたことがあるが8ヶ月で復帰した。大谷は10月に出術を受けて翌年5月にはDHとして出場した。わずか7ヶ月後のことである。

アメリカ生活用語

  • バレー・パーキング(Valet Parking)
    エンゼルスタジアムのように広大な駐車場スペースがある時、施設の一番近い場所に車を停めたいのは人情であるが、そういう一番便利な場所にはValet Parkingとサインが出ていることがある。多くの場合、サインの他に受付カウンターがあったりするのでひと目でわかる。そこに車を停めると、係員が寄ってきて、キーを預かり、預り証をくれる。車は係員がどこか別の場所に乗っていってしまう。
    用を済ませた後は、同じ場所に戻って預り証を見せれば、係員がどこかから車を運転して持ってきてくれる仕組み。もちろんそれなりの手数料とチップが必要になる。手数料は施設によって異なるが、3-20ドルくらいまで幅がある。チップはそれとは別に運転してきてくれた人に2~3ドルを渡す。
    Valet Parkingの対語はSelf Parkingである。これは普通に自分で空いている場所を見つけて停める方法。ちなみにロサンゼルスの繁華街などで駐車スペースが近くにないレストランなどは、バレー・パーキングが前提になっているような所もある。
  • カープール・レーン(Carpool Lane)
    多くのLA/OCのフリーウェイ(高速道路)では渋滞緩和の一策としてカープール・レーンというものが設けられている。これは一番内側(左側)のレーンがラインやフェンスで区切られており、その中のレーンは車の中に二人以上乗っている車しか走れないというものである。1人でそこを走っているのを警察に見つかると高額の罰金を取られる。こういう対策があること自体、いかにLAにはドライバー1人だけの車が多いかということの証でもある。
    例外として、電気自動車や一部のハイブリッド車はカープール・レーンを1人乗車でも走って良いことになっている。そういう車は緑や白色のステッカーが貼ってあるのでわかる。

    エンゼルスタジアムに隣接するフリーウェイ5号にもカープール・レーンがあるが、帰りにGene Autry Wayから南行きに乗るとカープール・レーンに直結となる。
  • ファストラック(FasTrak)
    カープール・レーンと似ているものにファストラック(FasTrak)というものが一部のフリーウェイにある。ここは乗員数に関係なくお金さえ払えば利用できる。

    ほとんどのFasTrakはトランスポンダーと呼ばれる機械を予め買って、車内に置いておく必要がある。FasTrak走行中にワイヤレスで通信し、登録された銀行口座やクレジットカードから利用料が引かれる。日本のETCカードのようなものだ。利用料は時間帯によって変わり、フリーウェイに電光掲示板で表示されている。

    例外として、3人以上乗っていると、トランスポンダーのスイッチを「3人」にしておけば通行料が無料になる区間もある。
  •   バフェ(Buffet)
    日本で言う「バイキング」形式の料理スタイル。ホテルやカジノでよく見られる。エンゼルスタジアムでも特等席のダイアモンド・クラブのチケットを持っていると、ネット裏のバフェで食事をしながら試合を見ることができる。
  • テールゲート・パーティ(Tailgate party)
    単にテールゲートと言うこともある。SUVなどの車にBBQの道具などを積み込み、駐車場でBBQをすること。エンゼルスタジアムでも試合前にテールゲートを行っている人は多い。ナイトゲームの日に昼頃には球場に行ってやっている人がいる。中には巨大なキャンピングカーでやってきたり、お店顔負けの本格的な料理を作る人達もいる。エンゼルスファン同士なら、打ち解けて仲間に入れてもらえるかも。
    私も一度だけだが、2002年ワールドシリーズ第6戦の日にテールゲートをした。スタジアムを見ながらハンバーガーやホットドッグを作ったが実に楽しいものだ。
  • コンボ(Combo)
    ファストフード店などで提供されるセットメニューのこと。ハンバーガー店ならバーガー、ポテト、ドリンクのコンボなどが定番である。バラバラに頼むよりはちょっとおトクなことが多い。またドリンクはリフィル(お替り)自由なことも多い。
  • ギブアウェイ(Giveaway)
    球場で来場者に配るお土産、記念品のこと。エンゼルスのサイトでは1年間のギブアウェイのスケジュールが発表になっているので、ギブアウェイお目当てで球場に行く人も多い。代表的なものに選手のボブルヘッド(首振り人)やTシャツ、キャップ、カレンダーなどがある。特にボブルヘッドは非売品なので人気選手のものがもらえる日はチケットも高くなる。基本的に来場者全員に配られるが、あまり遅れて行くとなくなってしまうこともある。ちなみに2018年7月12日は大谷選手の初のボブルヘッドの日で、なんと試合開始の6時間も前からファンが行列を作った。そこまで熱狂するのは見たことがない。
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