観戦のTIPS (2023年版)

実際の観戦にあたり、知っておいていた方が良いTIPS(豆知識)を紹介しよう。

服装の基本は「夜は厚着、昼は熱さ対策」

砂漠気候のロサンゼルスでは、ナイトゲームの場合は、真夏でも日が落ちると急激に冷え込むときがある。春先やシーズン終了の9-10月頃になるとさらに冷え込むので、長袖のジャンパーや場合によっては毛布など用意しておいた方がいい。

日本人に比べるとアメリカ人は気温の変化に鈍感なのか、我々が「こりゃジャンパーでも着込まないと寒いや」と思っている横で、短パン・Tシャツで平気な顔をしていたりする。決して彼らの服装に惑わされないようにしたい。

また日曜日の試合は基本的に午後1時開始のデーゲームとなる。例外は全カードの中で1試合だけ、ESPNが全米中継するサンデー・ナイト・ゲームに指定された時。ほとんどはヤンキース、レッドソックス、カブス、ドジャースなどの人気球団絡みの試合だが、エンゼルスもたまに指定される時がある。選手も移動日でないかぎり、日曜日の夜は家族や友人と過ごせる貴重な時間なので、楽しみにしているようだが、これが急にESPNゲームに指定されるとかなりガッカリするらしい。

ロサンゼルスの夏の陽差しは強烈だ。5月頃から9月末にシーズン終了までのデーゲームは日陰でないとかなり厳しい。内野席はほとんどの時間直射日光があたる。大人でもこの陽差しに1時間も当たっているとボーっとなってしまうので大きな帽子をかぶる、タオルなどを持って行く等熱中症にならないように気をつけたい。日焼け対策もしっかり必要だ。子連れや年配者がいる場合は日陰になる席の購入を勧める。どこの座席を買うかについては当サイト別掲のコーナーを参照して欲しい。

荷物チェック&チケットスキャン

駐車場に車を止めたら、いよいよ球場に入場だ。ゲートに着くと最初に手荷物のチェックがある。

2021年に持ち込めるバッグ類に制限が追加された。以下はオフィシャルサイトに載っている持ち込んでよい荷物のルールであるが現在の運用はだいぶ緩和されているようだ。

  • 財布、バッグの類いは30cmx30cmより小さく、ジッパーや蓋があるもの
    Purses or bags that are 12″ x 12″ with a single zipper closure/flap or smaller
  • 透明なバッグ(プラスチック製かビニール製)で、中身が見えなくなるような内部ポケットがないもので、32.3cmx16.5cmx 32.3cmを超えないもの。
    Clear bags (plastic or vinyl) with no obscured interior pockets that do not exceed 12.75″ x 6.5″ x 12.75″

なおスーパーのビニール袋など廃棄可能な袋はOK。金属探知機をくぐった後、人によってはバッグの中身をチェックされる。

2023年現在、金属探知機は設置はされているがあまり使用されていないようだ。なおアメリカあるあるなのだが、判定基準が係員によってまちまちで不透明なバッグでも問題にされない事もよくある。

実は2001年の911同時多発テロ以前はこのような荷物チェックはなかった。テロの直後はペットボトルなども一切持ち込めなかったが、最近は多少は緩くなり、水、スポーツドリンク、お茶などの入ったペットボトルならOKとなった(ただし未開封のものに限る)。弁当やスナックなどの持ち込みもOK。私の定番は球場に来る前に日本食スーパーに立ち寄り、おにぎりや弁当などを買い込む事が多い。なお保冷パックや凍ったペットボトルは許可されていない。

また「SHOTIME!」など応援メッセージを書いたサインボードを持ち込む人が増えているが、政治的なメッセージや不穏当な文言が入っていないかなどが入場前にチェックされる。日本語だとどのくらい理解されているのかはわからないが・・・・またサインボードの最大サイズは3フィート x 12フィート(90cm x 360cm)である。

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チケットのチェック

続いてチケット担当の係員からチケットのバーコードスキャンしてもらう。現在は球場のチケット窓口で販売される現物チケット以外は完全にデジタル化された(StubHubなどで転売されたチケットを含む)。スマホの専用の「Ballpark」というアプリをインストールしてチケット画面に表示されたQRコードを入り口で提示する必要がある。紙に印刷して持っていっても入場できない。

なおBallparkのチケット画面をスクショで撮ったものを提示して入場することは2022年7月からできなくなった。必ずBallparkアプリを起動してチケット画面のQRコードを提示する必要がある。

この後入場者数をカウントするターンスタイルゲートがあるが、ボブルヘッドなどギブアウェイ(ファン用のギフト)はこのゲートの向こうで配っているので取り忘れないようにしよう。

入場後

入場したらいよいよ自分の座席を目指す。座席のブロックナンバーを目当てに自分の座席エリアを探す。スロープ、エスカレーター、エレベーターで上の階に上がれる。ただし試合開始前の国歌斉唱の間だけはエスカレーターもエレベーターも止まってしまう。それどころか売店の営業も止まる。国歌を聴く時は係員も仕事を中断して、起立し帽子を取って右手を胸に当てるのがアメリカ流のマナーだ。

座席を立つときのマナー

球場によってはバッターがバッターボックスに入ってしまうと、打ち取られるかもしくは塁に出るまでの間は、自分の座席を立ってトイレや売店に行ったり、逆に自分の座席に戻ることを禁止している。通路の出口に係員が立っていて、通路に入ろうとすると制止される。一応そういうこともあると知っておくといいだろう。

通路から遠い座席の観客がモノを買う時

各ブロックは横に20-30座席ほどが並んでいる。縦の通路から離れた奥の座席の観客が場内を回っている売り子から飲み物や食べ物などを買う場合、隣にいる客から通路の売り子までお金やモノのやりとりを中継する。もし中継に加わるときは快く協力してあげよう。

ファウルボール

スタンドに入ったファウルボール(ホームランボールも)は観客のものだ。だからファウルボールが飛んでくると、大の大人があらん限り手を伸ばしてボールをキャッチしようと必死になる。

ボールが取れる可能性が一番高いのは一塁ベース、三塁ベース後方のボールボーイが座っているあたりの席だ。なぜならスタンドに入りきれなかったゴロのファウルボールを拾ったボールボーイはそのままボールを近くのスタンドに投げ入れてくれるからだ。

以前はアメリカのホームベース後方の危険防止のネットは本当に最小限しか張っていなかった。しかしファウルボールに当たって怪我をした人がリーグや球団を訴えるという事例が何件も発生して、2018年から大幅にネットが大きくなった。それでも自分の座席とバッターボックスを結ぶ線上がネットの切れ目に近い場合はファウボールの直撃を受けないように十分気をつけてほしい。特に子供が一緒の場合は。

カネ・太鼓の応援

メジャーではカネ・太鼓など鳴り物を使った応援は基本的にはない。応援は自分の声でするのが基本。ただしサンダースティックと呼ばれる空気を入れてふくらませる棒状のものを配ることがあり(特にポストシーズンの試合で配られることが多い)、これを2本持って拍子木のように叩き合わせるとかなり大きな音が出る。このサンダースティックが鳴り響くときは球場全体がスゴい音に包まれて、反撃ムードが最高になる。

ウェーブ
球場内の観客が横方向に順番に立ち上がっては座るという動作をすることで、スタンドが波打つように見える応援の仕方がある。一時期すごく流行って球場を何周しても終わらずひたすら続くということががあった。

しかし近年はすっかり下火になってしまったが、それでも1試合に1~2回くらいは起こる。目立とうとしてウェーブを始めようとする人たちもいるが、最近の観客はウェーブのノリが悪くすぐに止まってしまう。

ビーチボール
試合中にふくらませたビーチボールを観客席の上に投げて、あとはバレーボールのようにひたすら上空に向かって打ち合うというシーンをよく見かける。それに積極的に加担しなくていいのだが、もし自分が打ったボールが誤ってフィールド内に落ちてしまったら、当然審判のタイムがかかり観客全員からブーイングを食らうのを覚悟しておくように。

試合後の飲食
アメリカのレストラン(特にオレンジ・カウンティ)は日本に比べると本当に閉店するのが早く、夜10時を過ぎると24時間営業のファストフードやファミレスを除けば開いているところはかなり少ない。試合後ちょっと小腹が空いたと思っても日本のようによりどりみどりというわけには行かない。あらかじめレストランを調べておいたほうが良い。

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飲酒運転
球場で冷えたビールを飲むのは野球観戦の醍醐味の一つ。ちなみに球場の売店ではビールは一度に買えるのは一人2本までである。同行者の分までまとめて買いに行く場合は注意が必要。

そこで、球場でビールなどを飲んだ後、車を運転してよいのかという疑問があるかもしれない。

結論から言うとビール2本程度であれば許可範囲内なので、特にアルコールに弱い体質でなければ運転して帰って問題ないと考えられる。

アメリカでは飲酒運転のことをDUI (Driving Under Influence)と言う。Influenceとは「影響」という意味だが、これはアルコールに限らず薬物などを摂取しての運転も対象となる。
アメリカではすべての州でBAC(血中アルコール濃度:Blood Alcohol Concentration)0.08%以上で飲酒運転違反としている。アメリカと日本とは判断基準が少し違うが(日本では呼気濃度が基準だが、アメリカは血中濃度)、だいたい日本で違反となるのはBACで0.03程度。つまりアメリカの方が基準が緩い。おおよその目安では体重80キロほどの男性で、日本ではビール1本で違反、これがアメリカだと約3本になる。

ちなみに道路でポリスマンから停車を命じられたら道路片に車を停めてとにかくハンドルに手を置いたまま身動きしないこと。免許証を要求されたら、例えば胸のポケットに入っているならそこを指さして、取っても良いかと聞いてから取り出すこと。いきなり胸に手を入れたら反撃と勘違いされ発砲されかねない。
英語の会話に自信がない場合は、身振り手振りはまだ使わず「ライセンス、ポケット」とか繰り返して、自分に反撃の意思も能力もないことを十分に伝えなくてはならない。

万が一飲酒運転で捕まるとその場で手錠をかけられてJail(留置所)に最大48時間拘留される。その間はなんとか家族や弁護士と連絡を取って事後対策をすることになる。

この辺はアメリカ生活のABCなので、渡米前に多少は勉強しておいて欲しい。

観戦に持って行くものまとめ

  • 携行許可バッグ
  • 防寒グッズ(ナイトゲーム用)(ジャケット、毛布)
  • 暑さ対策グッズ(デーゲーム用) 日焼け止め、帽子
  • スマホ(チケット表示に必要。充電済み、Ballparkアプリインストール済み)
  • 未開封の水、お茶のペットボトル
  • お弁当、お菓子、スナックなど
  • 紙コップ(飲み物をシェアするため)。球場でポピュラーなLargeサイズビールは量が多いので、飲んでいるうちにだんだん温くなる。その場合は1本をシェアして飲んで、なくなったらまた冷えたビールを買いに行った方が美味しく飲める。
  • プラスチック製スプーン&フォーク、割り箸(球場内に常備されていない時がある)
  • 携帯用消毒液、ウェットティッシュ
  • 現金(10ドル程度、周辺の格安民間駐車場に停めるなら必要)
  • ID(Drivers License、パスポートなど)球場内でアルコールを買うのに必要。
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