MLBアナリストなる輩がテレビでウソ八百!
スポニチの記事だが、MLBアナリストなる輩がテレビ朝日のワイドショーに出演し、このように語ったという。
『7月以降、大谷君のボブルヘッド人形とかTシャツを配布するプロモーション・デーが1回もない。トラウトが2回あるだけ」という。「深読みですが、球団がそれ以降はプロモーションを組むなと営業サイドに言った可能性がある」』
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2023/05/01/kiji/20230501s00041000305000c.html
MLBアナリストが聞いてあきれるよ。毎年のギブアウェイのスケジュールは前年の秋から冬には決まっているので(例外的に後から追加される事はある)、今更「営業サイドにプロモーションを組むなと圧力がかかる」など全くのファンタジーだ。よくまあ、恥ずかしげもなくテレビで語ったものだ。無知をさらけ出しているようなものではないか。
そもそもこの御仁は過去大谷ボブルヘッドのプロモーションがいつ行われたかご存じなのだろうか?
8月以降の大谷のギブアウェイは21回中3回のみ
大谷が入団して以来、大谷のギブアウェイは今年の予定を含めて21度配られているが、8月以降に配られたのはわずか3度だけだ(下記の赤字)。ボブルヘッドに限れば8月以降に配られた事は一度もない。とにかくギブアウェイが配られるのはシーズン前半に集中している。
(1) 大谷翔平 二刀流ボブルヘッド (2018年7月12日配布)
(2) 大谷翔平 ブランケット (2019年4月19日配布)
(3) 大谷翔平 スウェットシャツ (2019年4月30日配布)
(4) 大谷翔平 新人王受賞記念ボブルヘッド (2019年7月16日配布)
(5) 大谷翔平 顔だらけTシャツ (2019年9月24日配布)
(6) 大谷翔平 サイクルヒット達成記念ボブルヘッド (2021年4月16日配布)
(7) 大谷翔平 顔だらけピロー (2021年8月31日配布)
(8) 大谷翔平 歴史的シーズン記念ボブルヘッド (2022年4月8日配布)
(9) 大谷翔平 クリアトートバッグ (2022年4月10日配布)
(10) 大谷翔平 MVP受賞記念ボブルヘッド (2022年5月10日配布)
(11) 大谷翔平 スターウォーズボブルヘッド (2022年5月27日配布)
(12) 大谷翔平 スノードーム (2022年6月26日配布)
(13) 大谷翔平を含む4種カップセット (2022年6月28日配布)
(14) 大谷翔平 MVP受賞記念Tシャツ (2022年7月14日配布)
(15) 大谷翔平 キャップ (2022年8月13日配布)
(16) 大谷翔平 ストライクアウト記念ボブルヘッド (2023年4月8日配布)
(17) 大谷翔平 クリアバッグ (2023年4月9日配布)
(18) 大谷翔平 Tシャツ (2023年4月22日配布)
(19) 大谷翔平/トラウト サマーブランケット (2023年4月25日配布)
(20) 大谷翔平 パズル (2023年6月27日配布予定)
(21) 大谷翔平/トラウト コラボボブルヘッド (2023年7月1日配布予定)
私は大谷のギブアウェイは欠かさずもらいに行くので記憶に鮮明だが、あまりにも4月が多いので、「少しはバラけて配れば良いのに」と思うのだが考えてみればそれも当然の事なのだ。
シーズン途中にいなくなる可能性のある選手は使わない
シーズン途中に選手がトレードされたり、クビになったりするのはメジャーではごく普通の事で、営業サイドとしてもいなくなる可能性のある選手をギブアウェイに使うことはない。ほとんどのギブアウェイには個別にスポンサーがついており、スポンサーのお金でギブアウェイは用意されるので、ボブルヘッドを配ったけれどその選手はもういないとか、下手すれば対戦相手にいる――みたいなマヌケな事が許されるわけがない。なのでシーズン後半に使えるのはトラウトような長期契約を結んでいる(もしくは契約上翌年以降も支配下選手であることが確定の)選手で、かつ球団が戦力として絶対に欠かす事が出来ない選手だけだ。
このアナリストが「プロモーション・デーはトラウトが2回あるだけ」というのは別に不思議でも何でもない。長期契約していてエンゼルスが絶対に手放す事はない選手はチームでトラウトだけだからだ。
大谷はまだ来年の去就が未定なのだからシーズン後半にギブアウェイを配らないのはごく当然の事。契約交渉の進展とは何の関係もない。球団編成から営業に圧力がかかるなどあるわけがない。
ギブアウェイはシーズン前半にやるのが常道
そもそも営業サイドとしてもシーズン終盤にいくらギブアウェイで宣伝しても効果は薄い。宣伝・集客するならばまだまだ試合がたっぷり残っており、チームの成績も定まらない前半にやるのはごく当たり前の事だ。優勝争いするほど成績が良ければシーズン終盤は何もしなくても客は集まるし、成績が悪ければ何をやっても客は来ない。
勝手にストーリーを作ってミスリードしようとするマスコミ
このアナリストはたまたま今年のギブアウェイのスケジュールを見ていて、シーズン後半に大谷のギブアウェイがないことに気づき、それを大谷の契約交渉に結びつけてストーリーを作りたかったのだろう。配布スケジュールは昨年オフにはすでに決まっていたものだったにもかかわらず、「球団が大谷を営業に使うなと言った可能性」とこじつけて「球団が大谷との契約を半ばあきらめている」との結論へミスリードしたいのだろう。過去の配布スケジュールもろくろく調べもせずに、ウソ八百を並べてテレビに出られるとは気楽な商売だ。
メディアの自己中なストーリー作りたがりについては2021年11月に大谷が帰国記者会見した時に痛感した。こちらもご一読頂ければ幸いだ。
【辛口寸評】「大谷記者会見」は希に見るヒドいものだった (2021年11月15日)
ちなみにこの投稿で「大谷は100%WBCに出場させてもらえない」と予想したのは見事に外れてしまった。それは大谷が球団と延長契約を結ばず来年FA権を取得するためだ。何が何でも大谷と契約したいエンゼルスはこうなっては大谷の意向には一切逆らえなくなった。もし延長契約していたら契約内でWBC出場について事前に取り決めでもない限り、WBCには出させてもらえなかったと思う。
コメント